『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

想像する

現在でも、福島県内のあちこちで工事が行われています。その一つに「埋戻し」というものがあります。除染の際に出た土砂を詰めたフレコンパックが様々な場所に埋められているのですが、それを運び出し、その穴を埋めるための工事です。今後、福島県に「中間貯蔵施設」が作られるということで、今後はそこに運ばれると聞いています。

私からすれば身近にある「心配な物」を運んで貰えるもらえるのですから、中間貯蔵施設建設はありがたいと言えなくはありません。
でも、やっぱり「中間」がどれくらいの期間になるのかを考えると、心に影がさします。


学校から「心配な物」が遠ざかることを喜び、安心する一方で、故郷に「心配な物」が集まってくる方々の苦しさを、少しでも考えておきたいのです。
理解できることはないでしょう。けれど、それでも考えて、想像し続けます。


震災後、様々な分断に苦しめられている私にとっては、極めて重要な抵抗なのです。

4月の当番について

「なおたかは、学級の当番などの組織は、どうしているのか」という趣旨のご質問をいただいたので、ちょっと書いておきます。


私は、ここ数年は「一人一当番制」を敷いています。全員が一つの当番を担当する、という形です。「Aさんは黒板消し、Bさんは給食台、Cさんは・・・・」というように、誰が何をやるのかを決めています。

 

こうしている理由は、「ちゃんと当番の仕事をやれている、やれていないが明確になるから」です。誰にとって明確かというと、児童同士にとって。だから、「やれていない人はちゃんと声を掛けたり手を貸したりして、みんなでやれるようにしなさいよ。責めたら余計にやれないよ」という指導がしやすいのです。
また、この役割を毎月変えています。その時に、不要になった当番を無くしたり、人数を変えたりしています。もちろんそれは、児童と相談しながら決めます。

私の基本スタンスは、「どんなシステムでも、完璧に上手くいくことはない。だから、協力しやすい形、変更しやすい形が良い」というもの。一応、今のところはこれでやっています。

 

過去に何度か「当番も自由に決めて良いよ」としたこともあるのですが、結局は「去年と同じ」で落ち着いてしまうんですよね。そうなると、そこから変更していく時に、私の力技になりがちで、上手くいきませんでした。子供たちは、慣れ親しんだシステムで良いのに、私が変えたいから変える、と強引になってしまって。だったら、最初は、「とりあえずこれで」と進めて、「でも、変更&改良していこう」と伝える方が、私にとっては自然な流れでした。

 

学級の様々な仕事が「協力し合うことが当たり前」になってくると、当番というものが不要になってきます。当番じゃない人が気づいたら色々やっておく、という学級。多分、いい感じの学級ってそういうものだと思います。

本当は4月当初から当番がなくても何とでもなるでしょう。けれど、何とかなるまでの期間はゴチャゴチャしちゃうでしょうね。それを出来る限り短くしたいがために、最初はある程度の指定がある方が、私は楽です。でも、楽をする分、集団の成長は遅くなるのかもしれませんけれど。
「学級を育てるには、ゴチャゴチャ混乱する時期があって当たり前」と周囲から許される環境ならば、最初から当番無しっていうのも試してみたいです。