『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

授業参観

時期に合わない話ですが、メモとして書いておきます。

 

私が教員として気をつけていることの一つに「授業参観の授業」があります。

小学校教員にとって、授業参観はかなり重要でしょう。ここで保護者に信頼されるか否かは、子ども集団との関係に極めて大きな影響を及ぼすからです。

 

1学期の授業参観における私の基本スタンスは「自分が好きなこと、得意なことをやる」です。若い先生に相談された時にもそう答えます。信頼を得るには、自信を持ってやれることが良いんじゃないかな。

学年で統一して同じ内容をやる場合も多いですが、私はちょっと心配です。同じことをやるのは学級間で差が出ないようにという配慮だと思いますが、同じことをやる方が担任の得意不得意がはっきり出ちゃいそうで。

 

何度かやってみたけれど、なかなか上手くいかなかったのが「発表会」形式の授業。一人の児童が一度しか発表しない授業では、保護者は暇です。兄弟姉妹が多い場合は「見逃した!」という場合も出てしまいます。それを避けるために、「一人の児童が二度、三度と発表する」発表会をやったことがありますが、まあ、これは本当に特別な授業参観だけですね。やるとしたら3学期。1学期でやる授業ではないなあ。

というのは、1学期には「授業の中で子どもたちが成長する姿」を見てもらうこと、言い換えれば、担任として「私はこうやって子どもたちを育てていきます」という覚悟と方法を見てもらうことを大切にしたいと思っているからです。『学び合い』であれば、子どもたちが学び合う中で、何かに気づいたり、身につけたりする授業が理想かなあ。何事も理想どおりにはいかないけれど、でも、45分で成果が見える学習がいいなあ。

二度とやらないのが「保護者と一緒に家庭科の裁縫」の授業。保護者と一緒にボタン付けとかミシンとか。そんなの授業じゃなくて「親子裁縫教室」ですよね。しかも、必ずしも裁縫が得意な保護者が来るとも限りません。もし、裁縫の苦手なおじいちゃんが来ていたら、「授業参観には来ちゃいけない」と感じているかも。それに、保護者が来られない子や兄弟姉妹がいて短い時間しか保護者に見てもらえない児童のフォローも十分にできませんでした。

保護者の力を借りなくてもやれるようになる姿を見てもらわないと、「授業」参観になりませんし、信頼は得られないでしょう。

と書くと、「じゃあ、具体的には何をどうするのか」と思う方もいらっしゃるでしょう。

裁縫の場合、ボタン付けなら、2個、3個…とたくさんのボタンを付ける授業にすると思います。付け方の説明用紙や動画も用意して、私もちょこちょこと助言しつつ、基本は『学び合い』。保護者さんには「手を出さないで」とお願いしますね。

他の教科でも、繰り返し練習して上達が見える授業が基本。音読や図形のかき方のような「技能」系の授業がやりやすいですね。

 

ここ数年の私の授業参観は

1学期…学び合う姿を見てもらえる授業

2学期…保護者参加型の授業

3学期…1年間で最も成長した点を見てもらえる授業

という流れでやってきました。

2学期や3学期は、私の得意なことよりも、子ども集団の得意なことや伸びたことを大切にします。

これについては、覚えていたら、また書こうと思います。

秋は函館!

春に藤原さんと飲んでいるときに決まった企画です。その時の会話が、楽しくて楽しくて!それ以来、ずっと楽しみにしていました。

 

初日は『学び合い』の基本的なやり方&在り方の話になると思います。

二日目はなぜ私が東日本大震災を経て『学び合い』しかない!と考えるようになったのか、という私的な話をします。

 

内容はちょいと重くて濃いですが、きっと軽やかで楽しい会になります。だってね、暗くて重かった「震災後」を乗り切って、明るく楽しく学んでいる子どもたちの話なんですからね。
そして、楽しい会になると思ったからこそ、函館まで行くことにしたのです。

 

北海道だけでなく、東北の皆様もいかかですか?私は北海道新幹線で函館まで行きます!

それも楽しみです!

函館『学び合い』の会2018 2018年9月29日〜2018年9月30日(北海道) - こくちーずプロ(告知'sプロ)

大切なことだからこそ

もうすぐ1学期が終わります。
さて、みなさんは4月にやっていたことのうち、今でも継続できていることはいくつありますか。
例えば、私は、4月当初は授業中に褒めまくっていました。

「教えてって言えたね」

「どんどん説明できて素晴らしいね」

「今の説明の仕方、うまいなあ」

「クラス全体を見て行動できているね。素晴らしい!」

が、だんだんと尻窄み。それでも子どもたちは「高橋先生はよく褒めてくれる」と言ってくれますが、でも確実に減っていますね。このままでは、2学期が心配です。
それに、私が頑張って褒めても、どうしてもムラが出てしまいます。何度も褒められる子もいれば、全く褒められない子がいたかもしれません。そうならないように努力していますが、全員を平等に褒めているとは、自信を持って言えません。

 

それを防ぐ方法は、大切だと思うことは、子どもたちにやってもらう!

「大切だと分かっているのだけれど、でも、先生一人では限界があるし、不公平になる。だから、みんなの力を貸してください。その方が絶対にいいクラスになるから」

と頼むのです。そして、授業中に教えてもらったらどんどんお礼を言ったり、振り返りの時に、誰のおかげで分かったのか、誰に助けてもらったのかを書いたりしてくれるように伝えます。つまりは、誰を褒めるのかは子どもたち自身にやってもらうのです。

このように、授業でも学級経営でも、大切なことはどんどんやってもらうようにします。

 

私のこういうやり方に対して

「教員が果たすべき大切な役割というものがある。それを児童にやらせていいのか」

という批判を受けたことがあります。なるほど、そういう方もいらっしゃるのは理解できます。ここは子ども観の違いがあって、どうしてもすれ違いは否めないなあ。でも、私としては、大切なことだからこそ、子どもたち自身にやってもらいたいのです。

 

もし、これをお読みの皆さんに、4月当初に大切にしようと思っていたけれど7月まで継続できていないものがあるなら、1学期のうちに子どもたちに伝えておいてはどうでしょう。

「大切なことなのに、継続できなくてすみません。2学期にはみなさんの力を貸してください」

って。黙って夏休みに入ったら、信用が下がったままです。一部の児童には「先生は、4月には◯◯って言ってたけど、あれってどうなったんだろう」と思われているかもしれませんからね。
だから、私は1学期のうちに言っておきます。そう言っておいて、2学期にやらなかったらますます信用はダウンですけれど。

 

 

ところで、授業中に褒めるという行為は、そのうち子どもたちに止められます。
「先生、うるさいです!」
って。子どもたちが授業の主導権を握ってきた証拠です。