『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

トップランナーを育てる

学級の『学び合い』の質・学習全体の質って,何で決まるのでしょうか。
わたしは,いわゆる「上位」の子で決まると思っています。
学級のレベルは,いわゆる「上位」の子以上になることは,絶対にありませんから。結果を出すのは,まずは上位の子達です。というか,まず最初に結果を出せた子を上位というのだと思います。

でも,わたしは「上位児」という言い方が嫌いです。そこには,教師による決めつけが感じられるからです。
「あなたが上位,あなたは中位,あなたは下位」
という教師の考えは危険です。例えば,
「○○君,(あなたは,下位児なんだから,こんなの無理だよ。だから,)もっとこうしたら?」
と,要らぬ介入を生む可能性があります。あと2分で出来たかもしれないのに。教師が「その方法で良いか悪いか」を見極めることは出来ないと,わたしは考えています。


中には,上位等の言葉が気にならない方もいらっしゃるでしょう。そこに差別的な気持ちが入っていないなら,問題ないとは思います。
けれども,わたしは「上位・中位・下位」という言葉を,子ども達の前では使えません。子ども達の前で使えない言葉は,職員室でも,どこでも使いたくないなあ。


わたしは,子ども達自身が「自分はこういう立ち位置で学習したい」と決めて欲しいと思っています。そこで,我が教室では「先頭集団」とか「トップランナー」という言葉を使っていました。
学級の先頭に立って,ガンガン勉強するぜ!というのが,トップランナーです。


この言葉が2学期に流行りました。
子ども自身が「トップランナーになる」とか「お前はトップランナーでなくちゃだめでしょ!」なんて言ってました。
トップランナーになる,と決めた子は,どんどん予習をします。テストは満点以外眼中になし。tontan学級やfuru-t学級を意識して学習しています。3学期の学習をやっている子も出てきました。
それが,ウチのクラスの『学び合い』を,どんどん高めてくれました。


トップランナー」は,全てで1番を目指す子ではありません。特定の子でもありません。
何でも出来るオールラウンダーになれる子は,限られています。でも,「算数なら」「国語なら」「社会なら」トップランナーになれる,という子は沢山います。「他は自信がないけれど,漢字なら」「わり算は苦手だけれど,分数なら」というように,領域や単元毎に意識が変わっていく子もいました。
わたしは,子ども達に
「このクラスに,何でも完璧な人はいないけれど,何にも持っていない0点の人もいないね。」
「自分のことを,頭が悪い,なんて言うな。勉強すればするほど馬鹿になるんなら,そりゃあ,その頭は悪い。でも,みんな,やればやっただけ賢くなる頭を持っているでしょう?だったら,その頭は悪くない。普通の頭だ。ただし,得意・不得意はあるけどさ。不得意なことがあるからって,自分の頭が悪いなんて言うなよ」
という話をしょっちゅうしています。
「じゃあ,これで,自分の力をガンガン伸ばしていくぜ!」
そういう子ども達の思いが,学級の雰囲気を盛り上げてくれていました。

トップランナーは,時には協力し,時には競争し,本当に楽しそうに学習していました。
そうなると,「一人も見捨てない」と矛盾してしまうと考える方もいるかもしれません。
「苦手な子を助けるのは,誰?誰が教えてくれるの?おいてけぼりにされちゃう子はでないの?」
そうじゃあないんです。トップランナーの存在が,「一人も見捨てない」に不可欠なのです。それは何故か,そして,トップランナーをどう育てるのか,ということも,今後書いていきたいと思います。