『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

安定した学習

某所にて
「算数。8時間分の学習を1時間半で終わらせた二人。こういうトップランナーがいると、全体の学習が安定しますね。」
と書いたところ、
「全体の学習が安定するとは、どういった状態をさすのか」
という趣旨のご質問を頂きました。
わたしのような者にご質問を頂き、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。


長くなりそうなので、ブログで答えさせて頂くこととしました。


「全体の学習が安定している状態」とは、「不安定な状態」の真逆です。
(ちなみに、わたしにとって「学習」=『学び合い』による学習 です。念のため。)

って、これでは説明になっていませんね。
「不安定な状態」とは例えば、次のような状態です。

・一生懸命に学んでいる子もいるが、課題解決を目指していないように見える子もいる。
・小グループが形成され、人間関係が固定化されている。そのため、誰からも声をかけてもらえず、自分から質問もできず、一人ぼっちの子がいる。
・「全員」「みんな」と強調しないと、なかなか課題が達成できない。
・テストやノートなどで評価をすると、授業中の見込みと違いすぎる。出来ているはずの問題ができていない。


『学び合い』が始まったばかりの時には、こんな状態になることも多いと思います。
こういう状態では、その学習が得意な2割の子の動きが重要になります。その子達が「教え役」になることで、学習が進むからです。
けれど、この状態が長く続くと、教え役の子ども達が辛くなります。この子達が「もう教えない!」と思ったら、『学び合い』は崩壊です。


今のわたしの学級では、こんな感じです。
・いつでも誰でも、勉強するのが当たり前。大きな行事の後でも。金曜日の5校時目でも。
 http://manabitudukeru.g.hatena.ne.jp/nao_taka/20130606/1370524278
 http://manabitudukeru.g.hatena.ne.jp/nao_taka/20130525/1369429118
・誰と誰がどのように関わっているのか、理解不能。
・「○人以上に説明する」「サインをもらう」「マグネットをはる」といった可視化は不要。
 子ども達曰く「マグネットやサインは、卒業です。」
・学習レポートをモリモリ書く一方、ほとんどのテストは、最低点数は80点前後、平均点は90点台。


こういう状態が続くには、学級の8割がしっかりと学ぶ状態になっている必要があります。初期の2割ではなく、8割です。
そうすると、比較的学習に消極的な子ども達もそれなりに学びます。
わたしのクラスで先月とったアンケートの結果。
Q 勉強は楽しいですか。
 1 楽しい 38%
 2 だいたい楽しい 43%
 3 楽しくはないけれど、がんばってやっている 19%
 4 楽しくない 0%


というのが、それをよく表していると思います。
「楽しい」と応えた子どもの中でも、「この学習は誰にも負けない!」という気概を持ってどんどん予習している子を、わたしは「トップランナー」と呼んでいます。
「自分のことだけではなく、みんなのことを考えさせないと!」という方もいるかもしれません。最初のうちはそうかもしれません。
けれど、それは不安定な状態なのです。
わたしのクラスで学習が得意な子が「教え役」で終わらず、8時間分の学習を2時間かからず終わらせるくらいに、もりもり勉強できているのは、学級全体の学習をみんなで支えているからです。
お互いに支え合う本物のチームだからこそ、それぞれが全力で学べるのですし、それでも崩れないチームワークが「安定」を生むのです。


トップランナーが突っ走っているかどうか。
それが、わたしが学級の状態を把握する時に見る視点の一つです。


うーん。なんかご質問の答えになっていないような気もしてきましたが、こんなもんで勘弁して下さいませ。