『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

楽しむ学級と,折り合い

11月上旬のことです。女の子数人が
「お楽しみ会をやりたいのですが,いつなら時間をもらえますか?」
とやって来ました。わたしは予定表を見て,
「14日の学活ならOKだよ」
と伝えました。
「予算はいくらまでですか」
「○○円までかな」
「分かりました」
「領収書かレシート,忘れないでね」
というやり取りをして,後はお任せ。ということで,一昨日,お楽しみ会が開催されました。詳細は書きませんが,大盛り上がりでした。
「先生も参加して下さい」
と頼まれたので,わたしも参加し,お腹が捩れるほど笑いました。あまりにも本気で楽しみすぎて,
「高橋先生は,本当におとな気ない!」
と言われてしまうくらいに。


また,ちょっと前のことですが,給食の前に男の子数名と
「今日の昼休みはサッカーやろう」
という話をしていました。わたしは,基本的に子供達と一緒には遊びません。本当は遊びたいのですが,我慢しています。遊びは子供達の領分ですから,おっさんが入るのはマイナスも大きいのです。が,その日は天気も良いし,校庭の状態も良いし(校庭の除染作業が行われてから,水はけが悪くなってぬかるんでいる日が殆どなのです。),宿題の丸付けもいつもより早く終わりそうだし,最近は運動不足で肩が凝っているし,ということで体を動かしたかったのです。
すると。給食を食べながら,男の子が女の子に
「一緒にサッカーやろう」
とお願いをし,給食を食べ終わる頃には2チームに分けられていました。そして,昼休みには,全員参加の臨時サッカー大会となりました。
もちろん,おとな気ないわたしは,点を取り捲りました^^v


そして,昨日の体育のサッカーも楽しかったし,非常に良い授業でした。何が良いかというと,楽しくやっていながら,しっかりと上達していることです。サッカーにおける上達とは,やる気やボールの扱いだけではなく,位置取りやそのための動きが重要です。楽しく笑っていれば良いわけではないのです。そういうことをちゃんと考えた上で楽しく学習しているのが,ウチのクラスの立派なところです。


お楽しみ会も,昼休みのサッカー大会も同様に,ちゃんと「分かっている」と感じます。
お楽しみ会であれば,企画運営の子達が「みんなをどう楽しませるか」を考えているのは当然ですが,他の友達は「せっかく企画してくれたんだから,思いっきり楽しもう!」と考えています。中には「俺が盛り上げ役になろう」と自覚的に振舞っている子もいました。
また,サッカー大会も,全員参加でありながら,強制的な言動を極力避けているのが見て取れます。誘っている子供自身が,同調圧力による全員参加では楽しくないことが分かっているのです。また,普段はあまりサッカーをして遊ばないような子も「たまには参加した方が楽しいよね」と分かって参加しているのです。
その証拠に,次の日は「全員参加じゃないけど,普段とは違うメンバーの男女混合ドッヂボール」が行われていました。全員でやろうよ!という日もあれば,俺はやらなくて良いかな,という日もあるのです。


ちなみに,お楽しみ会も,サッカー大会も,それを企画運営するのは「係」とか「会社」とはではありません。やりたい子が声をかけあって企画運営しています。
今年のクラスは,係や会社をほとんど「お任せ」しました。あるのは,日直と給食当番だけです。この二つは,学校で「やる」と決められているのでやっていますが,本当はこんなのも無くしたいんですけどね。黒板を消すとか,給食台を用意するとか,そういうことをやるのも「必要な仕事を,必要な人数で,声をかけあってやる」システムです。係活動をやるというのも決められていることなので誤魔化しとして「自由係活動」と名づけていますが,まあ,こんなのは係活動じゃないですよね。だって,ちゃんと決めていないんだから。こういうことも,お互いに誘い合い,譲り合い,助け合い,仲良しこよしの「お友達」を超えた関係じゃないと上手く機能しないでしょう。


こういう「折り合いを付けた集団」になっていくことが大切なんだよね,と思います。
折り合いが付けられていない学級だと,お楽しみ会がイジメを誘発したり,サッカーが喧嘩に発展したりする様子を散見します。
詳しくは書けませんが,簡単に言うと「一部の子にぴったりフィットする集団は,他の子にとっては違和感が強すぎる危険性がある」ということです。
折り合いをつけることが出来るようになるために,日々の授業が大切なのです。このことは,「イロハの二」(基本の次,という意味です。)に繋がっていきますので,また別に書きたいと思います。