『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

順序がある。

さて、前回は『学び合い』のような児童主体の授業に対しては
「子供達は自分が作っているから満足かもしれないけれど、でも、それではレベルが低いものしかできないだろう。学校で、子供の料理のようなレベルが低い物しか提供できないのでは、学校の意味がない」
という批判があるだろうという話を書きました。


というか、実際に目にしたことも、言われたこともあります(^_^;)


多分、こういうことを仰る方は、自分の専門性を磨いて、「深い授業」を目指している方なのでしょう。
その努力と見識には、頭が下がります。
でも、ちょっと待って欲しいのです。どんなに素晴らしい内容であっても、蚊帳の外で全く参加出来ない子にとっては、意味がありません。児童の中には教師なんて職に就いた幸せ者には全く理解出来ないくらいに傷付いている子が居るのです。
ですから、先ずは、そういう子が参加出来るというのは、物凄く重要な事なのです。


そう言うと、
「全員が参加出来る授業というのは、目標が低かったり、目標自体がなかったりするのだ。だから、『学び合い』はレベルが低いというのだ!」
という批判がくるでしょう。


違うんです。
全員参加が当たり前になったら、次は、授業をよりレベルアップさせていかなくちゃいけないのです。


『学び合い』でよく聞くのが、市販テスト全員80点以上から、全員100点への目標アップ。これは分かり易いと思います。全員100点取る授業って、かなりのモノだと思うんです。わたしは、まだまだ達成できません。


けれども、これは賛否が分かれるかもしれません。わたしは市販テストを否定しないのですが、中には「あんなテストが出来たって、学力と関係ないだろう」という人も居るでしょう。まあ、そりゃあ、学力を測る完璧な方法なんてありませんからね。
そして、そういう事をおっしゃるのは、前述した「専門性を高めて、深い授業を目指している教師」に多いように感じています。実は、わたしもこっち寄りなんです、本当は。


わたしも、点数なんて置いといて、授業を楽しみたいタイプなのです。「深〜い授業」をしたいんです。


ただ、順序があると気付きました。
最終的にどんな授業を目指すかは教師によって違いがあって良いけれど、でも、先ずは「全員が授業に参加出来る状態」にすることは、教師にとって最低限必要な仕事なんだと。
けれども、これが難しい。
「そんな事当たり前だ!」
と簡単に言える人は、超天才教師か、子供達のことをちゃんと見ていないかのどちらかでしょう。
でも、『学び合い』なら(誰でも、とは言いませんが、)可能です。
わたしだって、『学び合い』と出会うまでは、全員が学べる状態にすることは無理でした。


で、その後なんです。
全員が学べる状態になったら、次は深〜い授業を楽しめる!と思うんです。
全員が学べる状態になった上で、次にどんな授業をしていけばいいのか。その具体例となるような授業を作っていきたいと考えています。
それが出来れば、わたしも楽しいし、
「『学び合い』の授業なんてレベルが低い!」
という批判への返答となると思うのです。


ところで、
「子供達が学び合うなんて無理。出来るはずがない」
という批判に対しては、
「ちょっと手伝ってあげると、だんだん上手になりますよ」
という方便が有効な場合が多いですね。