『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

高橋の「音読」授業

昨日、敬愛するある方から

「『学び合い』の授業で、みんなで音読することってあるの?」

と聞かれ、上手く答えることができませんでした。なので、わたしのクラスの音読指導について書いておきます。ただ、『学び合い』全体がどうかは分かりません。あくまでもわたしのクラスの場合です。

 

さて。

もちろん、わたしのクラスでも音読はします。学習指導要領で「やる」と書かれていますから。この辺りは、昨日のあべたかさんのお話と同じですね。その学習指導要領では、

音読に関する指導事項

語の意味や内容が伝わるように音読することを示している。

低学年では,語のまとまりや言葉の響きなどに気を付けて音読すること,中学年で は,内容の中心や場面の様子がよく分かるように音読すること,高学年では,自分の 思いや考えが伝わるように音読や朗読をすることを示している。

 と書かれています。これを、わたしは「音読は、理解のためというよりも表現のためにする」と解釈しています。わたしの経験では学年が進むに連れて「音読すると、文章の中身が頭に入ってこない」という子が増えてきます。わたし自身もそうなのです。音読した後に文章が頭に残っていません。わたしの場合は心に引っかかった文を何度も読み直しながら読むのが好きなので、音読だとサーっと文が消えてなくなるように感じます。

もちろん、音読した方が理解しやすいという子もいるでしょう。『学び合い』的には「音読した方が理解しやすいなら音読すればいいし、そうじゃないなら黙って読めばいい」ということになります。

ただし、上記のように「表現のための音読」の授業はやります、絶対に。

それは大抵、こんな感じです。

  1. この単元の音読のポイントを示す。
  2. 教師が教材文の一部を“本気”で範読する。
  3. 「○月○日の○校時が発表です。ということは、練習時間は2時間だね。いつも通り、何人でやってもかまいません。質問はありますか?では、わたしの上をいく発表を期待しています。では、どうぞ」

こういう授業では、音読のポイント設定と範読に授業者の個性が出ると思います。音読のポイントを教科書に書いてあることを確認するだけでも構いませんし、範読の代わりに教科書会社が出しているCDを聞かせるだけでもいいのかもしれません。

でも、わたしは嫌です。理由は、わたしが聞いていてつまらないから(笑)。

わたしのポイントの示し方は、次のような感じです。(今年、4年生相手にやったことをなるべく再現して書きました。)

  1. 4年生の音読で大切なのは、「内容の中心や場面の様子がよく分かるように」です。
  2. まず「内容の中心や場面の様子」を捉える必要があります。そのための文章解釈が曖昧になったら、表現することは不可能だから、読み取りを怠らないように!
  3. この物語の「内容の中心や場面の様子」とは、「登場人物の心情の揺れ動き」です。(もちろん、教材によって異なります。「人物の性格の違いが分かるように」だったり「オノマトペの響き」だったり「繰り返しの効果」であったりします。)そこをしっかり読みましょう。
  4. それを「よく分かるように」読むということは、単純に言えば強調するということです。でも、ただ単に①大きく読む ②ゆっくり読む という他に、③わざと小さくゆっくりにすることで注意を引く なんて方法もあります。いろいろ試しましょう。
  5. また、読み手の表情が声に反映されることは以前も勉強していますね。(わたしは表情の指導もしますが、これは難しいようです。でも、やれる子もいます。)

という感じ。そして、その後の範読は、

  • 今説明したことをちょっとやってみましょう。(10秒くらい読む)同じところをこんな風に読むこともできますよね。(5秒くらい読む)別の場所をこんな風に読むのもありだね。(5秒くらい読む)

複数回、別の読み方を示します。超本気です。どこを読むかも練りますし、読む練習もします。時には、前の日や休み時間に子供達の目を気にせずに教室で練習することもあります。(そういう姿を見せるのも大切だと思っています)元演劇人として持てる力を全て出し切って読みます。手加減なしです。

音読指導は技術的な面が多いので、どうしても最初に説明することが多くなりますが、でも、5分以内を目指して説明します。これくらいやれば、学級の中に「センセーの話はもういいから、読ませろよ!」というオーラを出す子が出てくるので十分でしょう。

「はい、どうぞ」と任せます。

一人で読む子は今まで見たことはありません。大抵は、2〜5名くらいでグループを作って練習します。クオリティは、練習時間の長さに寄りますね。でも、めちゃくちゃ集中して練習していました。

 

昨日は「『学び合い』では」という質問だったのでどうお答えするか迷ってしまいました。繰り返しになりますが、あくまで高橋の『学び合い』音読としては、こんな感じです。