『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

またもや下書きですみません。

『学び合い』授業参観時のお願い

参観時は、次の3点について、お願いします。

  1. 子ども達の話に耳を傾けてください
  2. 会話の一部分だけではなく、可能な限り「全部」を聞いてください
  3. 絶対に「教えない」でください。

 

1 子ども達の話に耳を傾けてください

授業中は、ぜひ、子ども達が話している内容を近くに寄って耳を傾けてください。

研究授業を参観する場合、多くの先生方は「授業者」を見ていらっしゃるでしょう。そのため、ほとんどの先生が教室の後方から黒板側を見ています。ですが、『学び合い』の授業は授業者が何もしていないように見えますから(本当はそれも誤解なのですが)、見るべきものが何もないように感じられるでしょう。この授業は、児童の膨大な会話の中にこそ見るべきものがあります。ぜひ、近くで聞いてください。

 

2 会話の一部分だけではなく、可能な限り「全部」を聞いてください

人の「分かり方」は多種多様です。それは、教員の想定を遥かに超えています。

「勉強が苦手な子」ほど、「教員の説明を理解するのが苦手」なのです。そういう子は、友達同士の話し合いでも、教員が良いと思うような説明を理解するの苦手です。言い換えると「教員の説明や、教員が良いと思う説明と相性が悪い子」が「勉強が苦手な子」なのだ、と言えるかもしれません。そういう子は、授業者が意図しないような話の中で「分かった!」ということが多いのです。

『学び合い』を実践していると、「え!?この説明で分かったの?何でだろう?」と感じる瞬間に何度も出会います。もしかしたら、今日の授業でもそういう瞬間を目にするかもしれません。一部だけ聞いて「この説明はうまい」「この説明じゃ駄目だ」とはや合点せずに、じっくりと最後まで聞いてください。(でも、ほとんどの教員は、最後まで聞けないものです。「聞き役」が苦手だからです。それは仕方ないのですが、3番は胆に命じてください。)

 

3 絶対に「教えない」でください。

児童が間違った答えを書いていたり、ちょっとおかしいと感じる説明をしたりしていても、絶対に「それは違うよ」と教えないでください。「ヒント」も言わないでください。「その説明はいいね」などと褒めることも絶対にしないでください。

児童にとって、大きなマイナスとなるです。

マイナスとなる理由はたくさんあるのですが、その中から二つ述べます。

一つ目の理由は、2番で書いたように、教員が良いと思った答えが必ずしも全ての子に合うわけではないからです。教員が良かれと思って説明しても、それが全く合わない子もいます。友達の今までの説明でなんとなく分かってきた時に違うことを言われ混乱する場合もあります。また、子ども達は、教員に与えられたり褒められたりした説明から離れられなくなります。その結果、違う説明なら分かる子が分からなくなってしまうことも少なくありません。

二つ目の理由は、児童の成長を妨げるからです。この授業は教科の学習を通して、人間関係づくりも行っています。教員が間違いを教えてしまうと、児童の関係性を損なうことになってしまいます。

これらの理由から、参観者の皆様が児童に「教える」行為はおやめください。念のために申し添えますが、過去の参観者さんの中には「質問するふりをして教える」方も度々いらっしゃいました。それも結局は同じことです。おやめください。もし授業中に「教えている人」を見かけたら、「お願いの3番を読んでくださいね」と教えてあげてください。また、我々も声をかける場合があります。ご了承ください。

 

☆ でも、授業者は何もしていないわけではありません。

「学び合う集団づくり」を行う上で授業者は何もせずにいるわけではありません。『学び合い』では教員の役割とは何かを日々、意見交流し、磨いています。例えば「子ども達の心に火をつけ、集団を動かす力」「集団の状況を見取る力」が必要です。

詳しく知りたい方は、これまた『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門』『気になる子への言葉かけ入門』(明治図書)、『クラスがうまくいく!『学び合い』ステップアップ』(学陽書房)をご覧ください。

また、『学び合い』実践者の思いや悩み、その解決の道筋を知るには「THE『学び合い』」(明治図書)もお勧めします。