『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

学ばない子がいたら

時々、「『学び合い』で学ばない子」の話を耳にします。

その対処法は?と聞かれても、「色々です」としか答えられないというのが正直なところです。でも、考えるヒントはたくさんあると思います。
 
例えば、学校に「働かない教員」がいたら、学校長はどうすべきだと思いますか?「こうするのが正解」という模範解答はないと思います。でも、学校長が黙って放っておいたら、あなたは納得しますか?「働かなくてもいいんです」と言ったら納得しますか?
私だったら頭にきちゃいますね。学校長から「その働き方ではいけないよ」と言って欲しいです。叱って欲しいわけではありません。「それではいけないよ」と言ってもらえれば、助けやすい=働かせやすいからです。
 
私のクラスでも、4月当初に「学ばない子」がいた年もあります。でも、しばらく経つと学ぶようになります。それは、私が「勉強はしなくちゃダメだよ」と言うからです。言ってもその子はやりません。むしろ、言いすぎると余計にやりません。でも、私が「勉強はやらなきゃダメだよ」と言い、さらには「一人も見捨ててはいかんよ。それは集団にとって大きな損失だよ」と言うから、周囲の子は「先生がああ言ってるから、お前を誘わなくちゃしょうがないんだよ」と言い訳しつつ誘えるのです。
でも、ちょっと誘ったくらいじゃ学びません。
多くの場合、「学ばない子」は思っています、「どうせ俺なんて、私なんて、誘ってもらえないんだろ」って。そう思っている子は、わざと誘われない行動を取ります。誘ってもらおうと思って誘われないと無力感に襲われますが、誘われないように行動して誘われないのはなんとか我慢できるからです。ですから、ちょっと誘われたくらいじゃ混ざりません。「どうせ、ちょっと誘うだけで、本心は一緒に勉強する気なんてないんだろ」と疑心暗鬼なのです。
そう予想しているので、「学ばない子」が「あれ?本当に誘ってくれてるの?」と感じるまで私は求め続けます。語り続けます。「勉強はしなくちゃダメだよ。それに、一人も見捨ててはいかんよ。それは集団にとって大きな損失だよ」と。それを受けて、それにナントナク納得してくれた子が「あなたを見捨てたら、私たちが損らしいよ。だから、一緒にやろう」と誘ってくれるのです。
そのうち、集団の2割は納得します。「確かに、この変な担任の言う通りにしていたら居心地良くなってきたじゃん」って。で、6割も「あー、確かにそうかも」ってなるのです。
私が黙って見ていたら、そうはいきません。
 
ただし、教員が黙って見ていても『学び合い』が成り立つパターンもあると思います。
一つは、『学び合い』が文化になっている場合。年長者から「一人も見捨てるな」が脈々と受け継がれているような集団なら、教員が黙っていても成り立つでしょう。
もう一つが、教員にものすごい力量があって、ただ黙っていても集団が動く場合。そんな人もいるのかもしれません。見たことないけど。
私には、どちらもありません。だから、語ります。4月当初は「今度の先生、めちゃくちゃ変だ!」と小学生に訝しがられ、「今度の先生、大丈夫なのかしら」と保護者さんを不安にさせてしまっているようです。それを受け止め、安心し、納得してくれる(人がある程度増える)まで、語るしかないのす。語り続けられるかどうかが私の勝負です。今のところ、この自分との戦いに負けたことはありませんが、時々、「もういいや」と思ってしまうことも少なくありません。
 
最近は「負けてもいいかな」と感じていることは、内緒です。


追記
一応書いておきます。これが正解だ、と言いたいわけではありません。私はこうしてきた、というだけで、他にもっと道はあると思います。私もまだまだ考えていくし、より良い道を探していきます。