『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

トップランナー

トップランナーが得る『学び合い』最大の利点は「自由にできること」なのかもしれません。
普通の授業では、トップランナーは暇です。だって、もう既に知っていることや、授業の冒頭ですぐに答えが分かったことを、我慢して聞いているですから。
低学年の時は、知っていることを発表し、先生に褒められて喜んでいた子もおおいでしょう。しかし、学年が上がるにつれて、そんな喜びは薄れてくるでしょうね。


『学び合い』なら、自分が好きな勉強ができる時間が増えます。
今までは45分間ずっと「分かっているのに、分からない人に合わせる」という詰まらない授業でした。でも、『学び合い』ならば堂々と「分かっている」ことを表明できるのです。
予習をしている効果もありますが、トップランナーの子が、教科書会社が定めている時数の3分の1の時間で単元を終わらせる、なんてことは珍しくありません。


けれど、『学び合い』において教師が「分かっている人は、分からない人のお世話をしなさい」と押し付け続けたらどうでしょう?
「なんだよ。結局は、わたしは自分の勉強ができないじゃないかよ!」
そう感じないでしょうか。
『学び合い』を続ける中で、トップランナーの意欲が徐々に下がりませんか?そんな時って、もしかするとこういうイライラが原因の場合「も」あるのかもしれません。


じゃあ、どうするか。
わたしは、「損得」を語ります。
トップランナーは勉強が好きな子が多いでしょう。本当は自分で好き勝手に勉強ができた方が楽しい。でも、それをしてしまうと、集団の中で損をします。妬みから足を引っ張られます。また、どんなに有能だって、ありとあらゆることを一人でこなすことは無理でしょう。絶対に人の手が必要な時が来ますから。だから、自分の力を少しは集団のために使っておく方が得なのです。


教師の仕事として、トップランナーにそれを理解させなければいけません。
理解できれば話は簡単です。だって、トップランナーの子は損得勘定も得意でしょうから。
45分中、どれくらい「自分の勉強」をしたいのか。どれくらいなら「教える時間」に割いてもいいのか。トップランナーはそれを計算しながら勉強しているのだろうと感じます。わたしのクラスでは、時計を時々確認しながら勉強する子もいます。
全部の時間、自分の学習に没頭することはなかなかできません。(時々は出来ているようですが。)
けれど、一斉授業よりは、その時間は確実に長くなります。このメリットは、トップランナーにとっては大きいと思うのです。


小学生でもそうなのですから、中学生なら、もっと利が大きいんじゃないかなあ。