『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

緩むイメージ

ある学校。校長が職員を集めて語っています。
校長 :「先生方、来月のICT機器を使った授業研究公開は我が校にとって非常に大切な物です。
     先生方の持つ力を十分に発揮していただきたい。
     そこで、これから皆さんで、今までにない新しい授業の指導案を考えて欲しいと思います。」
教員1:「新しい授業ですか?」
校長 :「そうです。せっかくの研究公開ですから、新しいものを提案しましょう」
教員2:「新しいものかあ。何がいいかなあ」
教員1:「でも、本校が今まで取り組んできた研究の成果を発表するのが、研究公開じゃないんですか?」
校長 :「それも大切ですね。すばらしい意見ですね」
教員1:「どっちですか?」
校長 :「正解はないんです。大切なのは、チームワーク。そして、新しいアイディアであること。
     チームワークを生かして、新しい提案を考えてください。はい、どうぞ」


校長、少し離れて見ている。


教員2:「何にしますか?」
教員1:「今までの研究の流れを生かして、こんな授業を考えてみたんだけれど・・・」
教員2:「おお!すごいですね!えー、わたしは何にしようかなあ」
校長 :「時間です。席にお戻りください。
     どんなアイディアを考えたのか、発表してください。
教員1:「はい。わたしは地域の商工会議所のメンバーに協力していただき、
     どんな商品や観光資源を開発してどこに売り込んでいるのかを調べた後、
     自分達でもこの地域の活性化のためにできる具体的なアイディアを考えて、
     企業相手にプレゼンをする授業を計画中です」
教員2:「この授業、ずっと取り組んできましたもんね」
校長 :「なるほどね。はい、では、次の人」
教員1:「(う〜ん、校長の反応はイマイチだなあ)」
教員2:「はい。わたしのアイディアは、七色チョークです。
     このチョーク、書いているうちに赤→青→黄→オレンジって色が変わるんです。
     これを板書に使ったら、楽しいかなって」
校長 :「これはすごい!新しいですね!」
教員1:「(え?こんなのでいいの?)」
校長 :「常識にとらわれない発想がすばらしい!」
教員1:「(ICT機器じゃないし!)」
校長 :「こういう斬新なアイディアが大切ですよ」
教員2:「ありがとうございます。あとは、授業中、児童がずっと昼寝してるっていうのも考えました。」
校長 :「すばらしい!」
教員2:「今の子供達は、睡眠不足ですから」
校長 :「新しいね!」
教員2:「あとは、外で自由に遊んでいる」
校長 :「授業中なのに?」
教員2:「授業中なのに!しかも、算数なのに!」
校長 :「算数なのに!素晴らしいですね、新しいです!
教員2:「ありがとうございます。怒られるかと思ってました」
校長 :「そんなわけないじゃないですか。新しいアイディアを出して欲しいんですから!」
教員1:「(アホくさくなってきた)」
校長 :「1さん。あなたも、何か考えてください」
教員1:「えー。じゃあ、全員休む、とか?」
校長 :「いいですね、新しいですね!」
教員1:「全員転校させちゃうとか?」
校長 :「いいですね。突き抜けてますね」
教員2:「じゃあ、いっそのこと、学校をなくしましょうよ!!!」
校長 :「それは・・・、いいでしょう!何でもありです!」
教員1:「(来月の公開、どうするつもりなんだろう?ま、どうでもいいや)」
教員2:「もう、研究公開なんてこわくないや!」
校長 :「(ぶれないぞ、ぶれないぞ。“新しいアイディア”を出すって課題からぶれないぞ!)」