『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

私の課題の作り方

昨日のエントリーについて、様々なところで感想などを書いていただいたようなので、ちょっとだけ付け足し。

 

任せるってどうすればいいの?

ちょうど昨日、国語の次の単元の課題を考えたところなので、その話を書いておきます。「メモしたことを元にして、ポスターをかく」という単元です。これをそのまま課題にすると「メモしたことを元にして、ポスターをかくことができる」となるでしょうか。でも、これだと子ども達は迷いそうです。例えば、「メモって、自分で書くの?それとも教科書に載っているやつを使うの?ポスターは何にかくの?教科書に途中までかいてあるやつが載っているけれど、この続きをかくの?それとも、全く別にかくの?」なんて感じでしょうか。こういうのが「目的地は教員の頭の中」というパターンですね。


もしかしたら、在り方が定まっている=教員の考えをブレずに示し続けている方なら、子ども達は「この先生は、こう言うだろうから、こうやればいいな」と判断できるかもしれません。私もちょっとだけは自信があります。2年間一緒に学んだ子ども達ですから、自分達である程度判断し、どうしても迷ったときだけ私に相談したり、頼みごとをしたりしながら、学習できるでしょう。例えば「先生、画用紙ください」とかね。
ただ、これだと「テストができない」という結果になるでしょう。


これね、教員が考えている以上に大切だと思うんですよ。
まず「テストなんてどうでもいい」と思っていると「テストの結果を大切にする子」から不信感を持たれてしまいそうです。テストの結果を大切にする子は、基本的に勉強を頑張る子でしょう。そういう子が頑張ってくれなかったら集団の成長が非常に厳しくなります。ちなみにトンタンさんは「テストなんて」というようなことをおっしゃいますが、でも、違うんです。あの人はワークテストを練習問題程度にしか考えていないだけ。学力テストの類は結果を求めます。私以上に求めていますよ、多分。

 


次に、学びが立ち止まるんですね。だって、クラスのトップランナーの子は、ただポスターをかくだけじゃ勉強したって言えないよなあって分かっていますから。活動あって学びなし。「本当にこれでいいのかなあ」と疑問を感じながら学習して、で、テストをやるとやっぱり「本当にこれでいいのかなあ」と感じながら答えを書くことになります。トップランナーの子はそれでも良い点を取れますが、でも、自信は持てません。「本当に『学び合い』でいいのかなあ」というこれまた不信感が生まれそうですね。

 

それを避けるには、教員が教科書やテストを作っている人に負けないくらいに単元の狙いを考えるか、教科書やテストの力を借りるかが必要でしょう。私は一応、両方心がけています。
学習指導要領や教科書をちゃんと見ると、この単元は「メモしたことを元にして、ポスターをかく」だけじゃダメだと分かります。「目的に合わせて書く」ことが重要なんです。ということで、私は、課題を目的に合わせて、メモとポスターをかくことができる」にひとまずしました。が、ここでもまた「ちょっと待てよ」と考えました。教科書を見ながらちょっと悩む。「ポスターをかいた!」で終わっちゃダメだなあ、目的に合わせて書くってどういうことか分かってないとなあ。ということでそこを強調し、「メモとポスターのそれぞれの目的と、それに合わせた書き方が分かる」という課題にしました。で、それを説明する学習レポートを提出してもらいます。イメージとしては「メモの目的ってこういうもので、だからこういう書き方が必要。ポスターの目的はこうで、だからこういう書き方」といった感じでしょうか。子ども達もゴールのイメージは持てそう。教科書をちゃんと見れば、迷わないでしょう。
ここまで考えてからテストを見たら、やっぱりなあって感じでした。テストもそこを問うような問題でした。(このブログ、保護者さんやクラスの子も読んでいるようなので、テストの詳細は秘密です(笑))

 

私はこんな感じで課題を考えています。そんなに凝った課題ではないですよね。だから、課題なんてどうでも良いとも言えますし、まあ、大切だとも言えるかなあ。
それぞれが自分の理解に基づいてレポート書くのですから、その点では「正解がない」と言えるかもしれません。でも、「今のテスト」では「正解」を求められます。現時点で『学び合い』をやるには、この矛盾を解決しないといけないなあと感じていて、そこがちょっとだけ悩みますね。

 


ああ、忙しいのにこんなに書いてしまった(笑)。