『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

守らなくても困らないこと

学校には「守らなくても、それほど困らないきまり」が沢山あるように感じます。というと「きまりは守って当然だ」と考える方に怒られてしまいそうですが。

例えば、福島県の小学校では「登校したら、体育があろうがなかろうが、運動着に着替え、1日を過ごす」というのがスタンダードなきまりです。運動着に着替えないと怒られます。全ての学校がそうだとは言い切れませんが、私の知る限りでは、このきまりを設定している学校が「多数派」です。

Facebookにて、福島県郡山市では着替えなくなっているという情報をいただきました。

 

これ、他県の方によく驚かれます。

「毎日運動着に着替えるの?何のために?一週間、毎日同じ運動着を着るの?不潔じゃない?」

と言われたこともあります。私もそう思わないことはありません。運動着に着替えなくても、それほど困らないどころか、着替えない方がいいんじゃないかとさえ思います。

けれど一方で、「きまりがあるのだから、守らせて欲しい」という周囲の気持ちも感じます。ですから、学校全体できまっていることは、自分の学級でも指導します。どうしても「このきまりって大切かなあ」という本音が漏れてしまいますが、可能な限り「お漏らし厳禁」と心がけています。結局は漏れちゃうけど。

 

本当に大切なきまりは、守らないと「困ったこと」が起きます。分かりやすいのが交通ルール。車は左側を通行する。守らなければ、正面衝突です。ですから、厳罰を与えなくても、好んで逆走する車はいないでしょう。

でも、学校で「守らなくても困らないきまり」を破った子は、平気な顔で普通に生活できます。運動着じゃなくても、学校生活が送れますもんね。現に、日本中にそういう小学生がいるのですから。だから、「ルールを守ることはとても大切なのだ」と諭したり、「ルールを守れ!」と厳しく叱ったりすることが必要になってきます。多大なエネルギーをそこに費やすことになるでしょう。

それはきっと、ルールの大切さを学んで欲しいからなのでしょうけれど、でもね。

ルールの大切さを学ばせるには、「守らなくても、それほど困らないきまり」って逆効果な気がするのです。だって、ルールを破った子が「ルールを守らなくても大して困らないじゃん。じゃあ、守らなくていいや」と感じてしまいそう。それよりも、本当に必要なルールを厳選した方が、子供たちが「ルールって大切だな」と経験的に学べるように思うんです。

例えば、命に関わるようなルールや人権に関わるようなルールです。

そこにもっとエネルギーを費やした方が、子供たちのためになると思うんですけれど、なかなか難しいですね。