『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

「何で見捨てるんだ!」

私が『学び合い』を始めたばかりの頃なので、7年前の話です。

その当時は、今ほど『学び合い』の「やり方」についての本は揃っていませんでした。私は、西川先生のサイトにアップされていた「『学び合い』の手引き」を頼りに、『学び合い』を実践していました。

手引きには、理論どおりに『学び合い』で授業をすると学級にどんなことが起こるのかが書かれていました。そして、そのとおりのことが起きました。あの衝撃は忘れられません。

 

が、しかし。

手引きに書かれていることには「終わり」があるのです。(それは、今の多くの書籍でも同じなのですが、)『学び合い』学級の最初期は非常に再現性が高いのですが、だいたい、2か月くらい経った頃からは「瞬間判断」が求められます。決まったことを決まったようにやればいいのが最初の数か月。それを過ぎると、教員がどう振る舞い、どう語るのかをその時、その場で判断し、行動する必要があります。(実は、瞬間判断の機会は一斉指導の方が多いと私は思っているんですけれど、話がややこしくなるので省略します。)授業って、この瞬間判断が難しいんですよね。

 

7年前、『学び合い』による授業を始めた私が最初に犯した大間違いが、「全員達成ができなかった時、何と言うか」の判断でした。

その時は、全員達成ができない授業が続いました。定番の語りとして「どうすれば全員達成できるか考えよう。自分にやれることはないかな?」というような言葉掛けは何度もしていました。が、私の目には「もっと出来るのに、サボっている」ように見えていました。自分が出来ているのに、分かっていない友達を見捨てて、教えていない!何やってんだ!助けろよ!見捨てるなよ!とイライラしていました。

そこで私が発してしまった言葉は

「何で見捨てるんだ!ちゃんと教えろ!それでも仲間か!」

でした。私のイライラが噴出した言葉です。

あれは大失敗でしたね。子供たちの意欲が目に見えて下がっていくのが分かりました。

 

じゃあ、全員達成出来ない授業が続いている時には、どう言えば正解なのでしょう。

というと、非常に難しいんですけれど。というのは、正解は時と場合によるからです。不正解はハッキリしているけれど、正解はないんです。その時その時で異なるから、教員が瞬間判断するしかない。

と言うと、ちょっと親切ですよね。『学び合い』を始めてしばらく経った方のために私が協力してあげられるのは、「とりあえずの答え」を複数用意し、その中から選択してもらうことかなあと考えています。