『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

森のクマさん

職場に高校の先生から電話がありました。何の電話だろう?と不思議に思いながら電話口に立つと、生徒さんが私と話したくて電話をくださったそうです。その生徒さんとは、私が7年前に担任していたKさんでした。

先生と電話を代わったK さんは、私に問いました、

「どうして先生は、地震の時、森のクマさんを歌っていたんですか?」

と。

 

2011年3月11日2時46分。国語の授業中でした。聞いたことのない地鳴りの後、床がひん曲がっているかのように、グワングワンと大きく揺れ出しました。私の勤務地は震度6強。どこまでが本震でどこからが余震なのか分からないくらい、いつまでも揺れが続きます。恐ろしさのあまり、泣き出す児童が多数。私はその時、大型の電子黒板が倒れないように支えながら、森のクマさんを歌い出しました。

 

あるひんけつ もりのなかんちょう

クマさんに 出会うかー!ぼけーー!

花咲くかぼけーー!森の道ーー!

クマさんに出会うかーー!ぼけーー!

 

こんな感じで。何人かの子が無理矢理笑ってくれました。あんな時になぜ急に歌ったの?という質問です。

私の答えは

「どうにかして、みんなに笑って欲しかったからだよ。怖くて泣いているみんなに笑って欲しかったんだよ」

森のクマさんである必要はなかったのですが、とにかく子供達を笑わせようと思って咄嗟に歌ったものでした。

こんなことを7年経ってもKさんが覚えてくれていたことに驚きました。そして、その理由を知るために電話をしてくれたことにも驚きました。それに付き合って、私の勤務校に電話をしてくださった高校の先生に感謝します。

Kさんは震災の経験を全国に伝える活動に取り組んでいるそうです。頑張ってるなあ。俺も負けられないなあ。

 

忘れたくても忘れられないあの日の記憶の中に、少しでも笑った記憶が混じっているならば、歌った甲斐がありますね。クマさん、ありがとう。