『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

答えがあるという勘違い

我々の仕事に「答え」があるなら、なんと楽なことでしょう。誰かが見つけてくれた答えどおりに仕事をしていけば良いのですから。
けれど、残念ながら答えはありません。

例えば、子供達の座席の並べ方。
世の中のほとんどの教室は、机が全て黒板方向に向いているスタイルでしょう。私も教員になってからしばらくは、これしかやっていませんでした。それしかないと思っていたのかもしれません。
でも、私が小学3・4年生の頃の学級は前3列は真ん中を向き、後ろの3列は前を向くスタイルでした。担任のM先生のこだわりだったのでしょう。
十年前に一緒に働いていた先輩は常にグループの形。最近では「アイランド型」と呼ばれるものですね。その先輩はしばらく前からその座席スタイルだったそうです。

『学び合い』による授業を始めてしばらく経った頃は、私もアイランド型にしていました。そして、『学び合い』にはそれがベストだとも思っていました。けれど、ある日、子供達に

「先生、班の形(アイランド型のことです)じゃなくちゃダメなんですか?」
と質問されました。話をよく聞いて見ると、「アイランド型」は学び合いにくくて嫌なのだそうです。

  • 自分が学び合うのにベストな友達は、毎時間違う。
  • それなのにグループの形になっていると、同じ人とばかり話してしまいがち。
  • まずはグループ内で話すように、と言われているように感じる。
  • 座席移動もしにくい。
  • 他のグループとのつながりが途切れる。

そんな意見を言われました。なるほど、そうか。私はアイランド型をやめることにし、子供達に問いました。

「じゃあ、どんな形がいい?」

その時は机を丸くすることになりました。でも、その後も色々な形を試し、結局は

「最適な座席の形はケースバイケース」

という結論に達しました。座席の並べ方に答えなんてないんですよね。答えがあるというのは勘違いだと、その時に気づかされました。そして、それは座席に限った話でもないのでしょう。

 

じゃあ、答えがないなら、どうすればよいのでしょう。
それは、教員が答えを出すのではなく、子供達が答えを作っていくしかないと思っています。ただし、集団が答えを作るということは、絶対に意見が分かれます。全員一致はあり得ません。ですから、折り合いをつけながら答えを出すための試行錯誤するしかありません。その試行錯誤を促すのが私の役目です。

この時も「答えがある」という勘違いを引きずっていると、試行錯誤の邪魔をしてしまいます。

「どうしてちゃんと答えを見つけられないんだ!もっと協力しなさい!ちゃんと考えなさい!」

なんて怒っちゃったりして。今までに何度か失敗してきました。答えがあるという勘違いは、私の脳みそにしっかりと根を張っていて、なかなか取れないのです。