テクニックと限界
学期末が近づき、ワークテストをやる回数が増える時期です。前単元の点数がイマイチだったので、今の単元では、点数を取れるように、多めにテクニックを使って授業をしました。
こう見えて(どう見えて!?)テクニシャンな私。効果はてきめん。あるクラスでは、150点満点が学級の7割、平均は100点満点換算で95点でした。他のクラスも軒並み前回よりも大幅に得点アップです。
でも、この成果は私の頑張りによるものです。それだと、どうしても着いて来られない子がでてしまいます。平均点は高くても、最低点は低め。5割とか6割の子がでてしまいます。
そういう子は、私が削りに削った上で「これだけは話さなきゃ!」と厳選した言葉も聞いていないし、説明のプリントも読みません。もう少し聞いてくれれば、読んでくれれば、もっとできるのに…。そう思ってしまいがち。でも、そういうものなのですよね。
ここで、
「あの子は仕方ないよ」
と諦めてはいけません。ましてや
「ちゃんと聞いてない奴はダメだ!」
と攻撃なんて絶対にしちゃいけません。
どちらも、集団が大きな損をするからです。
諦めているクラスは、「あの子も仕方ないし、この子も仕方ないし」とどんどん諦めが広がっていきます。攻撃するクラスは、「お前もダメだ、あいつもダメだ」とどんどん攻撃が激化していきます。
一方、苦手な子を周囲が支えて助けられれば、誰もが安心して生活できるクラスになります。あの子も安心、この子も安心、だから自分も安心できるのです。
こういう安心は、私一人では生み出せません。テクニックを使えば使うほど、最後に子どもたちを救えるのは「関係性」なんだよなあと感じます。