『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

5月は緩めないように

5月になると、子どもたちは『学び合い』による授業に慣れてきます。慣れること自体はよいことですが、私の場合、慣れは緩みにもつながりがちです。

緩みを防ぐために、何度か

「一人も見捨てるんじゃない!」

と強要して失敗したことがあります。私としては、「まだできていない子に声をかけないことが、どれほど損なのか」を分かっているので、ついイライラしてしまうのです。でも、子どもたちは分かりません。だって、「一人も見捨てないことを目指す集団」がどれほど心地よいか(そして、それは実は、ものすごく自然で穏やかな状態だと私は感じています。)ということを経験していませんから。

ですから、まずは「まだできていない子に声をかけないことが、どれほど損なのか」を語って聞かせるようにしています。

『学び合い』の本に書かれているのは、

「一人を見捨てる集団は、二人目、三人目を見捨てるよ。それは自分かもしれないよ」

というもの。私も

「困っている人に本当は気付いているのに、気付かないフリをしていると、どんどん心が衰えていく。自分でも、気付いているのかいないのか、分からなくなっていく。そうやって、『仲間を助ける』能力が失われたクラスになって、いじめがはびこる」

なんてちょっと怖い言い方をします。

が、こういうネガティブな言葉って、連発したくないですよね。クラスが暗くなります。

前向きな言葉としては、

「仲間のために頑張れる人が、仲間から最も信頼されるんだよ。仲間のために頑張れる人になろう。とことん頑張れる人になろう。どこまで頑張れば『とことん』と言える?最後の一人が分かるまでだよ!」

なんて言って煽ることもあります。

ただ、今までで一番「効果的」だったのは、一人で寂しそうな子を見ていたら、私の涙が止まらなくなってしまった時です。叱ることもなく、でも、隠すこともなく泣いていました。

「俺はみんなが大好きだよ。全員が大好きだよ。だから、みんなが寂しそうだったり、悲しそうだったりすると、助けてあげたくてたまらない。でも、先生一人では、寂しそうな人全員を助けられないんだよ。ごめんなさい」

と話をしました。たくさんの子が泣きながら聞いてくれました。このエピソード、初めて書いたかもしれませんね。書かなかったのは、他の方の役に立たないからです。こんなの、テクニックでも何でもありません。これを演技でやったら、ただの詐欺師です。

 

言葉より心。

 

と書くとなんだか安っぽいですが、教員がどんな思いでいるのか、はやっぱり重要です。言葉だけじゃ、人の心は動きません。

 

でもね、心だけで動くかと言われると、それもかなり難しいと思います。

心をどう形に表すか。

私が意識しているのが「一人も見捨てないことが得になるシステム」です。

 

つづく!はず。