明後日が運動会である。
以前の私は、この時期によく
「こんなんで運動会が成功すると思ってんの?」
なんて言って扇動していた。熱く語ることで、子供達を思い通りに操ろうとしていたのだ。
「このままでも成功するんじゃないの?っていうか、成功って何だよ?」
って、かつての私に聞いてみたいものだなあ。若かりし頃の私は、何と答えるだろうか。
もちろん、今でも語ることで子供達を操っている。今年の運動会も「子供達からアイディアを提案してくれるように」企てたという自覚もある。ただ待っているだけでは提案なんてしてくれない。アイディアを出しなさいと言っても、そう簡単には出てこない。
「キャプテン、運動会の表現運動では、こうしたいんです」
「ここを変えましょう」
そう言ってもらうためには、いくつか必要なことがある。
何が必要なのかと聞かれれば、以前の私は「覚悟」と答えた。今は「面白がること」だと答える。
子供達の提案は、時には大人にとって都合が良くない場合もある。上司の顔が頭に浮かび、
「うーん、それはちょっと難しいカモなあ」
と言いたくなる気持ちは私も持っている。
でも、そういう提案こそ、
「面白いね!やってみよう!」
と言う方がいい。俺が思いつくことなら、わざわざ子供達に考えてもらわなくていいのだから。
さて、明後日は運動会。明日が最後の練習だ。
やっぱり私は行事は好きではないけれど、でも、やるからには目一杯楽しまないと損だよね。