『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

スーパーウーマンとトップランナー

わたしの妻は教員ではありません。全く別の職種です。わたしより忙しいと思います。昇進し、管理職になってから、更に忙しくなりました。夫のわたしが言うのも何ですが、わたしよりも「優秀」な人ですので、出世するのは当然だと思います。とは言うものの、大変です。ずっと体調が優れません。夫婦二人、歯を食いしばって日々頑張っています。
娘も息子も0歳のうちから保育園に預けています。7時半から6時半まで、約11時間、子ども達は保育園で過ごします。週末には疲れでグダグダになっています。ウチの子ども達よりも早く登園し、遅く退園する子もいます。保護者会の時には、お互いに励まし合ってしまいました。


「子ども達が可哀相」「子どもは母親と一緒が一番」
そういうことを言う人も居ます。分からないではありません。でも、これからの日本は、女性が働かないと成り立たないと思っているので、頑張っています。大抵、こういうことを言うのは、おじさん・おばさん達です。「あんた達の作った負の財産のせいで、こうなってるんだよ」と言いたい気持ちもありますが、何事も責任は自分にあるのだと考え、頑張っていくしかないのです。


「もう嫌だ」「仕事よりもお金よりも、時間が欲しい」「もっと愛情をかけて育てたい」
そう言いたくなることもあります。でも、考えれば考えるほど、妻は仕事を辞められません。これから日本はどんどん貧しくなっていくでしょう。それに備えなくてはいけないという気持ちが強くあります。わたし達夫婦が「ロストジェネレーション(笑)」だからでしょうか。わたしは「景気」ということがよく分かりません。だって、ずっと悪いんだもん。貧乏暇なしです。


働きながら子育てをしている女性は、それだけでスーパーウーマンです。男には絶対にできません。「母性本能」というのは、絶対にあるのだなあと思います。
妻も、同僚のママさん先生も、心の底から尊敬します。
(かといって、お子さんのいない女性が駄目だなんて思ってませんよ。多様な集団の方が良い。色々な人が居た方がいい。そう思いますから)


「そんなこと言って、子育てを女性に押しつけるな」「男も子育てしろ」
と言う声も聞こえてきそうです。もちろん、やっています。でも、同時に、男は「職場で、『働くお母さん』を助ける」という役割もあります。「保育園のお迎えに行かなくちゃ!」「子どもが急に熱を出したんです!」と焦る同僚の為に、無理をして仕事をすることも少なくありません。
お子さんが風邪をひいてお休みした先生の仕事を代わりにやっているけれど、家では我が子も風邪で寝ている、なんてことは日常茶飯事です。


「仕事の能率が悪いんだ。もっと手際よくやれ」
という人もいるでしょうし、
「政治が悪い。政治家は何をやってるんだ」
という人もいるでしょう。
で、それが原因だとして、どうすれば楽になるんですかね?
気休めにはなっても、解決策にはならないと思います。


じゃあ、『学び合い』をやれば、「まし」になるんでしょうか。教師は「楽」になるんでしょうか。
わたしは、現時点では、それはないと思います。『学び合い』自体の大変さもあります。『学び合い』って教師が常に進歩して行かなくてはいけないですから、それが大変です。それに加えて、『学び合い』を押し通したり、周囲と折り合いを付けたりするために使うエネルギーも必要です。そう考えると、楽にはならないでしょう。
でも、『学び合い』が広がれば、確実に改善するだろうな、と思うのです。少なくとも、押し通すためのエネルギーは不要になります。
更に、『学び合い』が当たり前になれば、学級だけではなく、学校全体が助け合うことが自分の得になることを理解することになります。そうなったら、目に見えて楽になるでしょうね。


わたしは、『学び合い』が広まることを望んでいますし、『学び合い』が広まる課程で、ある種の「モデル」になることについても覚悟を決めました。
だって、学校にちょっと広まるくらいじゃ、ウチの妻は楽になりませんから。「一人も見捨てない」が学校を超え、世の中に広く広まっていかなくちゃ、我が家は楽にならないのですよ。


そして、そのためにわたしが出来ること。それは、「トップランナー」に追い付き、追い越すことです。
2学期にうちのクラスで流行したのが「トップランナー」という言葉でした。今の『学び合い』を取り巻く状況で、足りないのはそこだ!と思っています。だから、苦しい人が苦しいままなのです。
トップランナー」が増えないと、苦しんでいる先生(子育て中の女性を含めて)も、子ども達も、救えないと思うのです。スーパーウーマンを、スーパーウーマンのままにしていてはいけないと強く思います。