『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

まずは失敗観を変えよう

若い頃(と言っても、数年前ですが)の失敗です。
わたしは周囲の先生方から「期待のホープ」なんて言われて、ちょっと調子にのっていると同時に、プレッシャーを感じていました。
わたしは「学級経営を失敗できない!」と勝手に思い込んで、勝手に重圧を感じていました。それがそのまま子ども達へも伝わってしまったのでしょう。子ども達も「失敗できない」という雰囲気の中で学習していました。


一人一人は、明るくて良い子です。みんな、学校が嫌いなわけではありません。自己肯定感も低いわけではありません。学力的にも非常に高い学級でした。
にも関わらず、学級全体の空気が重いのです。授業中、誰も発言しないわけではないけれど、でも、普段の授業の普段の発言でも「発表するからには、しっかりした意見を、しっかりした言い方で」といった空気。
もちろん、それを生み出していたのは、わたしです。
「絶対に失敗したくない」
という思いが、子ども達を硬くしていたのです。
それが積み重なり、何と無く元気のない学級になってしまったのでしょう。


この経験からわたしが学んだのは、「失敗が許されない状態では、人間は努力することができない」ということです。
絶対に失敗しない唯一の方法は「やらない」ことです。
中には、勉強をしたくなくなる子もいるでしょう。「チャレンジしない」という選択をする子もいるでしょう。そういった集団は、どうしても覇気のない雰囲気に支配されるのです。


これは、わたしが『学び合い』と出会う以前の経験ですが、この経験が、わたしが『学び合い』をやっていく上で、非常に大きな教訓を与えてくれています。


例えば、『学び合い 』の初期の授業で定番の「○○が全員できる」という課題を出したとします。それが全員達成できなかったとします。さて、それは「失敗」なのでしょうか?
大切なのは、その後、子ども達がどんなことを考え、どんな行動をとるかです。
「次の時間こそ、全員達成するぞ!」と燃える熱い子どももいるでしょう。
「やっぱり、予習が必要だよな。予習しよう」と冷静に戦略を練る子どももいるでしょう。
「この教科は苦手なんだけど、でも、頑張ったんだよ」と自分なりに満足している子どももいるでしょう。
「この教科はだめ。ごめんなさい。でも、体育は任せとけ!」というムードメーカーもいるでしょう。
そんな十人十色の子ども達が、共通して
「でも、良い方向に向かっている。成長できている。次も頑張ろう」と思えた時、失敗は失敗ではなくなるのです。


もし、あなたの『学び合い』が荒れ始めたきっかけが、「全員達成できない」から始まり、「出来ない子どもがほっとかれる」「よく出来る子どもが苦しくなる」という流れだったとしたら、それはあなたの「失敗観」が原因かもしれません。
そこを変えずに、新たな方法を試しても、新たな「失敗」を生むだけなのです。


じゃあ、どうすれば良いんでしょう。
それはと言うと…。