『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

持続向上型『学び合い』のススメ その0

ここまで読んで下さった皆さん、ありがとうございます。


どういうタイミングで、助け合い型から持続向上型にシフトすれば良いのでしょう。
また、その場合に留意すべきことはなんでしょう。


それをまとめていく前に、高橋が考える「学び合う学級の姿」を整理しておきます。

1.助け合い型『学び合い』
(1)助け合い型『学び合い』スタート期
 ☆児童は、仲の良い数名で学び合う。
 ☆基本的に、他のグループとの交流はない。
 ☆教師の喜び→「俺が教えなくてもみんな学んでいる!やった!『学び合い』は本当だったんだ」
(2)助け合い型『学び合い』教え役活躍期
 ☆児童は、仲の良い数名で学び合う。
 ☆他のグループと行き来する子や、特定のグループには属さず教えまくる子が出てくる。
 ☆「教えてあげる」という声のほうが、「教えてちょうだい」の声よりも多い。
 ☆教師の喜び→「頑張って教えているな。よしよし。教えることは得なこと。がんがん教えてね!」
(3)助け合い型『学び合い』崩壊直前期
 ☆児童のグループはあまり変化がない。しかし、グループに入れない「気になる子」が出てくる危険性が高まる。
 ☆ 「教えてあげる」に対して「教えてくれなくて良い=学習に参加したくない」という反応や、逆に「教えてもらって当然」という反応。
 ☆教え役の疲弊。
 ☆教わり役の意欲低下。
 ☆教師の苦しみ→「分からない人がいるのに、放っておいちゃだめ!見捨てちゃだめ!一人も見捨てないクラスにしたいのに!」
 ☆教師の勘違い→「ここで、子ども達ならできる!と信じ続けることが大切なんだ!」
 ☆こうなるのは、教師の語りが「助け合うこと」を求めたり「点数を上げること」を求めたりとフラフラと揺れているから。第一優先がわからない。さらには、「全員が達成できなければ、失敗」という失敗観で教師が評価しているから。
(4)助け合い型『学び合い』不時着スタイル
 ☆児童は、仲の良い数名で学び合う。
 ☆ほどほどに教え、ほどほどに聞く。
 ☆成績は劇的に上がらないけれど、少なくとも下がることはない。
 ☆教師の考え→みんなが楽しく学校に通っているんだから、それでいいのかもしれない。
 ☆こうなるのは、教師が「助け合うこと」で満足しているから。
 ☆けれど、一部の児童は静かに苦しんでいる可能性がある。
 「もっと伸びたいのに」という子の存在。
 「いつも教わってばかり」の子の存在。



皆さんのお話を聞いたり、ブログを拝見したり、Facebookでのやり取りから予想したりすると、多くの方の『学び合い』は、(1)から(2)へと進み、その後、(3)に進む方、(4)に進む方、そして、その失敗を経て「2.持続向上型」に分かれるように感じています。

『学び合い』を始め、最初は『学び合い』の会やFacebookにどんどん自分のクラスのことを書いていた方が、半年や1年経つと、「○○の手法を取り入れ」とか「□□を使って話し合いを…」と言い出すのを見ると、もしかすると(2)から(3)に向かっているのかな、なんて思ってしまいます。
まあ、こういうのは、わたしもやってしまった失敗だから、言うのですけれど。
(4)の「不時着」というのは、『学び合い』の目指すところは助け合うことじゃないんだけれど、そこに着陸しちゃった、という意味です。
教師はそれでもやや満足かもしれません。その安心感を否定はしません。でも、その陰に苦しんでいる子の存在があることは忘れてはいけません。
こういった『学び合い』は、本当に「一人も見捨てない」教育ですか?


それを抜け出すのは
 2.持続向上型『学び合い』
に行くしかないと思うんです。


さて、長くなってしまいました。
ちゃんと目次を作ってから書けばよかった。
もう少し分かりやすくなるように、工夫します。


つづく!(頑張れ、俺。負けるな、俺!)