『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

宮城県で働く小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。2月に単著発売予定「流動型『学び合い』の授業作り」発売

子どもが見られない!?

『学び合い』に対する誤解は山ほどありますが,その中の一つに
「従来の授業形式と違い,『学び合い』では,子ども達一人一人の学習の様子が把握できない」
というものがあります。
これは,かなりの人が誤解しているように感じます。
「子ども達がゴチャゴチャしていて,何をしているか分からない。」
「誰が分かって,誰が分からないか,評価することができない。」
という声も聞いたことがあります。


逆です。『学び合い』の方がよく分かります。


そういう人に聞きたいのは,
「従来の授業では,本当に子ども達の理解状況を把握できているのですか?
 あなたは,何人までなら把握できるのですか?
 それはどのくらいの『確かさ』で把握できているのですか?」
ということです。


例えば,小学校6年生の国語科では,「比ゆ」の学習をします。
昔のわたしはこんな授業をしていました。
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1.比喩を使っている文と使っていない文を例示し,違いを考えさせる。
 例「Aは○○が大きい,と言っているだけだけれど,Bは◇◇という言葉を使って,○○がどれくらい大きいかをくわしく説明している。」
2.そこででてきた言葉を使って課題を立てる。
 例「ちがう物を使って,くわしく説明する表現を使いこなそう。」
3.「こういう表現を比ゆといいます。」
教科書を使って,「比ゆ」について調べさせる。
数名の発表と教師の補足説明。
4.「比ゆ表現のキーワードは何ですか」
 ⇒まるで,〜のような,〜みたいな
5.「比ゆを使った文章を作ってみよう。」
 ⇒早く出来た子には板書をさせる。
6.直喩と暗喩の説明
7.「暗喩を使った文章を作ってみよう。」
 ⇒難しいと予想されるので,いくつか教師が例示。
 ⇒出来た子に発表
8.まとめとして,「比ゆ」とはどんなものかを書かせる。
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20代の頃,『学び合い』に出会う前ならこんな感じで授業していたと思います。拙いのはご容赦下さい。でも,まあ普通の「従来型の」授業ですよね?
さて,この授業,どうやって子ども達の学習の様子を理解すればよいのでしょうか。
1で,二つの文を比べさせる時,ちがいに気付いた子が何人,気付けなかった子が何人,と把握することは可能でしょうか。
4で,キーワードを理解出来ている子が何人,理解出来ていない子が何人とどうやって把握すればよいのでしょうか。
挙手でもさせるのでしょうか。その時,「分かった」と言っているけど分かっていない子,「分からない」と言いつつ実は分かっている子はどやって発見するのでしょうか。
8で,比ゆがどんなものかを書ける子が半分しかいなかったらどうするのでしょうか。そうならないように,事前に把握しておくことは可能でしょうか。
わたしには無理でした。今でも無理です。
この授業の進め方が悪いのでしょうか。だったら,どんな授業なら,子ども達の学習の様子を把握することが可能なのでしょうか。


無理だとわたしは思うのです。
その証拠に,それを無理に把握しようとする研究授業だと,時間が伸びに伸びて,予定していることの半分も終わらない場合が多いでしょう?
それはつまり,普段の授業では,出来ない子・分からない子がいるけれど,それを置いといて(それが意識的か,無意識かは分かりませんが。),授業が進んで行るのです。そうするのは,教師の努力が足りないだけではありません。無理だからです。


一方,『学び合い』だと,ちょっとだけ見ることができます。
完璧に把握することは無理です。でも,従来の授業よりは,見ることができます。
しかも,「一人も見捨てない」程度に見ることができます。
とは言っても,何もしないで見られるわけではありません。
教師の「視点」が必要です。


さて,どうやれば見ることができるのでしょう。
具体的なことは,長くなったので,次回に書きます。