『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

ギリギリ!

来週は、勤務校でマラソン大会があります。本来は今週の予定だったのですが、雨のため延期となってしまいました。
わたしは個人的にはマラソン大会は無い方が良いと思っていますが、でも、個人の感情と「仕事」は別です。やるとなったら、とことんまで子供達の成長に繋げる方策を練り上げます。


ということで、10月の末にマラソン大会に向けての「語り初め」を行いました。こんな感じでした。
「1か月後にマラソン大会があるよね。マラソン大会、楽しみな人?(挙手ゼロ)嫌な人?(全員挙手)ここまで嫌いとは思わなかったな(苦笑)そうか、みんな嫌いなんだね。じゃあ、そんなマラソン大会を、なんで先生はみんなにやらせるんだと思う?
『げへへ。お前たち、たくさん走って苦しむがよい!ゲロを吐けえ!疲れて倒れろ!』
みたいな感じだと思う?(子供達、笑って否定。)だよね。もちろん、そうじゃないよ。マラソン大会の目的は、まず・・・。そう、今、誰かが言ったね。体力を高める。でもさ、それなら別に競争しなくていいじゃん?とりあえず走ってれば体力は付くじゃん?マラソン大会ってことは、大会だから。目的の二つ目は勝負なんだよね。勝負。勝つか負けるかってこと。じゃあ、誰と勝負して欲しいかと言うと・・・友達ではないんだな。友達との勝負って思っていると楽しくないんだよ。だって、友達との勝負ってことは、勝てる人、1位の人って一人だけだよ。それに、友達が転んだら
『やった。ラッキー』
なんて考えちゃうかもしれないでしょう。そうじゃないのさ。先生が勝負して欲しいのは、二つ。一つ目は自分自身。マラソンって、自分の頑張りが簡単に分かる。だって、頑張ればタイムが伸びていくもんね。だから、タイムが伸びるように、前の自分よりも速くなるように努力して欲しいのさ。
もう一つ、勝負して欲しいのが、このクラス以外の人。どういうことかと言うとね、このクラスには◯人しかいないでしょう。その◯人の中で1番だ、2番だと威張っても、あんまり凄いことではないんだよ。日本全国には小学校3年生って100万人もいるんだから。だから、100万人を相手にしても『わたしは頑張った』と胸を張れるような走りをして欲しいんだよ。100万人と比べたら、自分より速い人なんていくらでも居る。自分より遅い人もいくらでも居る。多くの人と比べると、このクラスの順位なんて大切じゃなくなっていくのさ。
とは言いながら、日本全国の小学生がみんなと同じ条件で同じ長さを走るわけではないよね。全国の小学生とは比べにくい。だから、去年の3年生と勝負しましょう。去年の3年生、つまり今の4年生は、みんなと同じ人数です。で、去年の3年生のマラソン大会のタイムを全員分足したら、◯◯分でした。みんなの合計タイムをこれよりも速くしましょう。もちろん、去年の3年生も頑張ったはず。けれど、それに勝てれば、みんなは他のクラスと比べても胸を張って頑張ったと言えるでしょう。逆に、『このクラスでは1番だけれど、2番だけれど、でも、去年と比べれば大したことないよね。」なんてことにならないようにしなくちゃ。それに、『このクラスでは後ろの方だ。でも、他のクラスと比べられても頑張ったって胸を張って言える!』ってなれば素晴らしいでしょう?
大切なのは、このクラスでの順位じゃないんだよ。マラソン大会を、このクラス以外の人と勝負するチャンスにしましょう。」


何かを行う前には、こんな感じで長々と語ります。普段は3分以上語ることはありません。よほど締めなくてはいけないタイミング以外では。けれど、最初の語りには5分くらいかけます。本当はもう少しスッキリ語りたいんですけれど、でも、最初に語るのが最も効果的だと思うと長くなってしまいます。


で、第1回目の練習では、去年の3年生と比べて合計タイムで16分も負けていました。一人1分強負けている計算です。
けれども、最新の結果では、合計タイムが1分45秒差まで迫っています。こういうのって面白いもので、なんでも「ギリギリ」になりやすいんですよね。わたしが設定した目標のギリギリまで迫ってクリアーしたり、ダメになったり。明確な目標があると、ドラマが生まれやすいですね。
ちなみに、こういう「クラス外との勝負」で一番伸びるのは、トップの子です。毎回トップの子は目標を見失いがち。でも、「去年の優勝タイムを超える!」とはりきっています。
来週の本番では、どうなるのでしょうか。わたしも楽しみですが、子供達も楽しみにしているようです。