『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

長期的な授業モデル その5

その4の続きです。>


「時間がかかる」
そういう前提で授業を考えると、色々と見えてくるものがあるのです。


『学び合い』を始めた直後は、変な勘違いがあって、
「子供達が有能で、しかも、子供同士で説明する方がよく分かるんだから、きっとあっという間に分からない子も分かるようになるはず。」
なんて幻想がありました。今でもちょっと残っているかもしれません。だから、分からない子がいると
「教える側が手を抜いているから、分からない子がいるのだ!」
と少々腹が立ってしまうこともありました。


逆に、頑張っている子供たちの姿を見ていると、
「これだけ頑張っているんだから、分からないことなんて問題じゃない。助け合うことが大切なんだ。」
と甘くなってしまうこともありました。


どちらもうまくいきませんでした。
どうすれば良いのか。自分が「勉強が苦手な子に勉強を教えた時のこと」を思い出したら、答えは簡単でした。
分からない、という子は、分かったり、分からなかったり、忘れたり、思い出したり、意欲が落ちたり、高まったりを繰り返しながら勉強します。とにかく時間がかかるのです。
いくら「有能な子供集団」であっても、そういう子を魔法のようにできるようにさせらられるはずがありません。
また、その4で書いたように、「全員が集まる」というだけで物凄い時間がかかるものなのです。


これに気付いた時、
「子供達は有能である。」
という言葉だけではなく、
「子供達は自分と同じくらい有能で、自分と同じくらい愚かである。」
という言葉の方が腑に落ちました。子供集団だって、無理なことは無理なのですから。



だから、子供たちに、できる限り時間を与えることが重要だと感じました。
試行錯誤できる時間が必要なのです。じゃあ、どうやって与える時間を多くするのか。というのが、わたしの授業改善の為の重要課題となりました。