『学び合い』の典型的な授業では、児童に達成すべき課題=ゴールを示し、「はい、どうぞ」と任せます。子供達は思い思いの道=学び方で、ゴールに向かっていくことになります。
どこをどう通ってゴールにたどり着くのか。それは一人一人バラバラです。授業者が事前に予想しておくことも、事後に理解することも不可能なんだろうな、と思っています。
でも、過去のわたしは「このゴールに向かえば、必ずこの道を通るはずだ」という思い込みを持ってしまった時期がありました。
「このゴールを示せば、この道を通るはずだ」
「それまで色んな道を巡ったとしても、ゴールにたどり着く前に、ここを通るに決まっている」
「だって、子供集団は有能なんだから、この方法にたどり着くはずだよ」
そんな風に考えて失敗したことが、何度もあります。危険な勘違い。この思い込みから脱するまで、なかなか大変でした。
「この課題なら、こういう活動をするはずだ」と思っても、その活動をしない子が大勢います。
「この問題を解く時には、必ずこう考えるはずだ」と思っても、そう考えない子が大勢います。
「落とし所はこの辺りになるはずだ」と思っていたら、ならないことがしょっちゅうあります。
「これを提示すれば、これを使って学習するはずだ」と思っていたら、全然使わない!なんてことも多いですよね。
子供達は、教師が想定した道なんて通りません。もちろん、通る子もいます。でも、全員ってことはありません。
だから、任せるしかないんですよねえ。
それを忘れると課題で子供達の動きをコントロールしようとしちゃいます。そんなのは上手くいきませんから、どんどん任せる量が減っていくでしょう。
その負のスパイラルに陥らないよう、わたしは自分に言い聞かせています。
子供達は教師が思う通りの道なんて、通りません。