『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

両立しない。

わたしは、授業のゴールを可能な限り明確にするよう心がけています。段々と慣れてきましたが、“テストの点数”と“学習レポート”という「二つのゴール」を同時設定するのはなかなか難しいです。でも、これらを融合させていくのが、今のわたしのチャレンジです。

ところで。今でもなるべく避けている「二つのゴールの組み合わせ」があります。それは、“教科の楽しさを味わう”と“テストの結果”という二つのゴール。これで何度も失敗しましたし、多くの方がわたしと同じ失敗をしているなあと感じています。

ここで言う“教科の楽しさ”というのは、教科書には載っていない話や豆知識に満ちた授業のこと。国語なら「え!そんな解釈もできるの!?」という読みだったり、算数なら「まさか、こんな解き方ができるなんて!」だったり。理科なら面白実験がそうですね。社会だと人物の裏話を調べたり、工業製品を分解したり。そういうちょっと捻った授業とも言えるかな。一発勝負の研究授業とか授業参観日とかによくありますね。きっと「教科の楽しさは、そういうものではない!」と言う方もいらっしゃるでしょうけれど、それはちょっとおいといてください。

さて、教員の多くは、勉強が好きで楽しくて勉強し、その結果、テストの点数が取れるようになったのだと思います。わたしもそうです。だから、「楽しく学ぶのが一番」と考えていた時期があります。楽しく学べば、自然と結果がでる、そう思っていました。なので、「その教科を楽しむための課題」を出せば、結果としてテストの点数も上がると思っていました。

 

でも、上記のような授業の“教科の楽しさ”と“テストの結果”ってそう簡単に両立しますかね?

 

最近のわたしは、両立しないだろうと思っています。(でも、融合は可能です。これについては、長くなるのでまたそのうちに。)

教科の楽しさを追求して、結果としてテストの点数が上がる子も多少はいるでしょう。でも、まったく繋がらない子も大勢います。これは、確信を持っています。

『学び合い』をちゃんとやれば、「その教科を楽しむための課題」を出すと、大抵のクラスはめちゃくちゃ楽しむでしょう。でも、それとテストの点数は別です。テストの点数を上げる課題を出さないと、テストの点数は上がりません。

「テストの方が大切」と言いたいわけではありません。「別です」と言いたいだけです。ですから皆さん、「楽しむための課題」を出しておいて、テストが出来ないことを嘆かない方がいいと思うんです。もっと言えば、児童・生徒を責めちゃだめですよ。だって、全く別ですから。わたしは時々、個人的な趣味に走って、「教科を学ぶ楽しさ」を優先した授業をやってしまいます。そういう時にはやっぱりテストの点数はイマイチです。

 

あーあ、こんなこと書くから、「ちょっとストレス強め」な奴になっちゃうんですよね(^_^;)けれど、テストに繋がらない課題を出されて、それでいてテストの点数が低い!と怒られる子供達は、もっとストレスですから。本当に気をつけてくださいね。