2011年
私は無我夢中でした。目の前の子供達を守らねばならない、それが自分の使命だ、と本気で思っていました。
2012年
私は疲れ切っていました。「こんなに頑張ったけれど、私は震災に勝てなかった。そんな自分に存在価値があるのだろうか」と本気で苦しんでいました。その頃、勤務校には○○から多くの○○が来てくださっていました。その中のお一方が、思い悩む私を見ておっしゃいました。
「震災に勝てるわけがないじゃないですか。それに、勝たなきゃいけないなんてものでもないじゃないですか」
そう言われて私は更に苦しみました。私を元気づけるための言葉だったのだと思います。それに、この言葉は正しいと思います。そりゃそうです。でも、そうじゃなのです。
あの時、私たちは自然災害の恐ろしさだけではなく、様々なものと戦っていました。原子力災害だけでもありません。一番苦しかったのは、「味方の顔をしてやってくる敵」でした。全面勝利は無理でも、局地的勝利を納めなくては、あっという間に潰れてしまいそうな状況でした。潰れていく「学級」も多くありました。それを救いたくて、救おうとして七転八倒していました。だから、私は勝たなきゃいけなかったのです。
今日、震災後に担任した子供達と会いました。中学校2・3年生となったその姿を見て、心から感動しました。
勝てなかったけど、負けもしなかったんだ。私個人は勝てなかったけれど、クラスは負けなったんだ。そう思えました。もちろん、あれからも色々あったことでしょう。今も色々と悩んでいることでしょう。そして、これからも順風満帆とはいかないでしょう。
それでも、しっかりと歩んでいっって欲しい。あなたなら、それができるはずだ。だって仲間がいるんだから。
一人一人に、そう心の中で語りかけました。
若き同志に幸多からんことを。