『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

アクティブ・ラーニングの弱点と『学び合い』

どうやら、「言語活動の充実」の次は、「アクティブ・ラーニング」だそうです。
文部科学省によると、アクティブ・ラーニングとは

【アクティブ・ラーニング】
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
文部科学省『用語集』)

とのこと。多分、「能動的に」辺りがキーワードになるでしょうね。
「問題解決学習」が含まれているのは、昔ながらのやり方に対する一定の配慮かなと思います。(子供達が能動的に学ぶ本当の問題解決学習ができている人なんて、極々少数でしょうけれど)


子供達が能動的に学ぶ。
それによって、今まで話がさっぱりわからなくて、授業中に寝ていたような子(いわゆる「おちこぼれ」)も授業に参加できるようになるでしょう。また、学習が得意で今まで暇を持て余していたような子(いわゆる「ふきこぼし」)は、友達への説明を通し、自分の理解をさらに深めることが期待できます。
多分、アクティブ・ラーニングのねらいとして、最初は、こういう面が注目されると思います。
もちろん、『学び合い』にもこういう利点がありますし、他の「協働的な学習」「学び合い学習」に共通した利点でしょう。



でもね。
この考え方には、大きな欠点があるのです。
多分、『学び合い』で苦労する理由の一つに、この欠点を乗り越えられないというのがあると思います。
一つは、「友達に聞いても、結局は分からない子が居る」ということ。
もう一つは、「友達に教えていても、それでも退屈な子が居る」ということ。



『学び合い』だと、こんな感じに進む場合が多いみたいです。
その様子を見て焦った教師は、退屈そうな「勉強はできるけれど、頑張っていない子」を怒ります。
「なんで分かっていない子がいるのにダラダラやっている!」
って。教室に同調圧力が生じるのは、教師のこういう思いが様々な場で表出しているからです。


怒りたくない教師・怒っても仕方ないと悟った教師は、こんな感じになるのかも。
「楽しく学んでいるんだから、いいじゃないか^^」
以前のわたしがこれでした。わたしが名付けた「助け合い型『学び合い』への不時着」という状態。


いろんな「方法論」に飛びつくパターンもあるかもしれません。
「◯◯法と『学び合い』は相性がいい!」
「◯◯の活動を取り入れよう!」
こうして、特定の方法論を取り入れると、能動的だったはずの学習は、いつのまにか教師主導の学習に戻って行ってしまうでしょう。(それでも、多少は能動的だ!と人は言うでしょうけれど。)


『学び合い』以外でも、似たようなことが起きるでしょう。その結果、
「やっぱり、教師が教えなくちゃいけないのだ。」
という話が出てくるはずです。



じゃあ、どうすれば良いか。
わたしの中では明確な答えが出ています。他の方のお役に立つなら教えたい。また、これからアクティブ・ラーニングが広まる上で、全員は無理でも少しでも多くの教師に伝えたいという願いも持っています。
でも、これがなかなかBlogには書けずにいます。文字数の関係だったり、誤解が生じる心配であったりといった理由で。


もっと色々なところに出かけ、多くの人に会いたいなあと思うのは、だからなのです。