『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

アクティブ・ラーニングと締め切り

わたしは、アクティブ・ラーンングを実践する上で考慮しなければいけないものとして、

  1. 学ぶの目的
  2. 学ぶ内容
  3. 助け合う仲間
  4. 活動期限

の4つを考えています。今年度は、これを軸に実践をまとめて、どこかに発表しようかと考えているところです。
これは、教師の仕事にも当てはまると考えています。この4つを考えられる教師は、アクティブ・ラーニングを実践しても、それなりにやっていけるんじゃないかなあ。仕事もアクティブ・ラーニンングも能動的で知的な営みなのは共通ですからね。


1〜3は、『学び合い』をやっていればある程度簡単に理解できると思います。逆に言うと、これが理解できないと『学び合い』もアクティブ ラーニングも形にならないでしょうね。
4は、これが理解できなくて、『学び合い』が体現できない人が多いんじゃないかなと勝手な妄想。


4については、もう少し詳しく書きます。
学習のスパンは、万人にフィットするというものはありません。
例えば、国語で「最初の5分は漢字。10分は音読練習。10分は読み取り。15分は交流。5分はまとめ」と区切ってアクティブ ラーニングを行ったら、「5分じゃ漢字を覚えられない子」もいれば「音読に3分もかからない子」もいるのは当然ですよね。
だったら、「45分の中で、漢字と音読の練習・読み取りを行う。最後には、わかったことをノートにまとめること!」という課題の方がやりやすい子が増えるでしょう。
でも、この授業ってかなり忙しいですよね。こういう授業を何回もやるのだったら「◯時間の中で、漢字と音読の練習、読み取りを行う。単元の最後にレポートを提出じゃ!」っていう課題の方がやりやすい子が増えるんじゃないでしょうか。だから、「単元を任せる」方が子供達は伸びるのだと思っています。
さらには、こういう授業を続けていくと「この単元が終わったから、次の単元をやってよう」という子や「前の単元の学習を、もう少しやりたい」という子も出てきます。わたしは「別にいいよ」というスタンスです。だって、学習のスピードは十人十色ですので。


ただし、時間は無限ではありません。例えば、発表の日が決められているような場合には、そこまでに準備をしなければ、発表はできません。また、学校では、学期末・年度末には「評価」を出さなければいけない関係上、「ここで区切りますよ」という期限があります。
グループで学習をしている時なら、自分がさぼることで他の人に迷惑をかけるのだとうことを意識できない子は、大きな損をします。わたしは、学級で何度も、締め切りを守ることの大切さと、でも、守れない人を切り捨てるのではなく助けなければ損だ、ということを語ります。締め切りを守らない人は、周囲の信頼を大きく損ないます。『学び合い』やアクティブラーニングというものは、能動的であると共に協働的な学習ですから、締め切りを守らない質の人は、極めて大きな損をすることになるのです。


教師の世界にも「締め切り」があります。
が、わたしの知る範囲では、多くの教師は締め切りを守りません。多分、教師には「一人で仕事をしている」という意識が強いからだと思います。わたしは対教師という立場では、管理者ではなくただの同僚ですから、締め切りを守る大切さを語るようなことはしません。その代わり、締め切りを守らない人でも切り捨てずに助けるようにしています。


でも、締め切りを守らない人は、それによって誰がどんな損害を受けるのかに対して無頓着であり、かつ、協働的な意識の低い人だとわたしは判断します。また、計画的に仕事ができないのです。そういう人は、現時点では『学び合い』もアクティブラーニングも向かないと思います。そういう無頓着さや意識の低さが、無意識的に子供達に伝播するでしょうから、トップランナーに見限られることを危惧します。トップランナーが走らない「能動的な学習」は、停滞を生みます。
というわけで、わたしは、締め切りを守らない教師には『学び合い』を勧めないし、質問されても本質的なことは教えないようにしています。もっと『学び合い』が広まってきたら、なんとなく巻き込めればよいと思います。
わたし自身も、本当は、締め切りを守るのが苦手です。我儘で自分勝手な性格だからです。自分のそういった弱点を認識しているので、無頓著になったり、意識が下がったりすることが恐ろしくてたまりません。