『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

ヘナチョンペ

とある動物園。飼育員を前に、園長が語っている。


園長:「みなさん、これからの動物園に必要なのは、ヘナチョンペです。我が動物園にヘナチョンペを導入しましょう!」
A:「また変なこと言い出したよ」
B:「どうせ思い付きでしょう」
C:「そのうち、また違うこと言い出すよ」
園長:「何か言いましたか?」
沈黙。
一人が、黙っていられず、沈黙を破る。
Aさん:「園長、ヘナチョンペとは何でしょうか?」
園長:「それは、一度見たら子供達が忘れられないようなインパクトがあり、それでいてずっと見ていたくなるような安らぎを与えてくれる、そんな存在です。」
Bさん:「ヘナチョンペっていうのは、動物なんですか?」
園長、急に怒って、
園長:「どうしてそんなことを聞くんですか?」
Bさん:「すみません。」
園長:「みなさんは、子供達に忘れられないような思い出と、心の安らぎを与えたいとは思わないんですか?」
Cさん:「それは思いますけれど。」
園長:「だったら、どうしてヘナチョンペを探さないんですか?」
Aさん:「探す?それは、どこにいるんでしょうか?」
園長:「どこにいるかは、誰にも分かりません。」
Bさん:「本当に存在するんですか?」
園長:「わたしが若いころには、ヘナチョンペだらけでしたよ」
Cさん:「今も居るんですか?」
園長:「それを探すのは、みなさんの仕事です。」
Cさん:「でも、どこにいるかは分からないんですよね?」
園長:「さっきから、何なんですか?みなさんは、子供達のことを考えていないんですか?動物園の使命を忘れているんじゃないですか?このままで良いと思っているんですか?常識にとらわれていては、これからの世の中に通用しませんよ?」
A/B/C:「はあ・・・。」
園長、急に顔の向きを変え、少し離れたところに立っている男に詰め寄る。
園長:「あなた!」
男:「はい?」
園長:「さっきから、なぜ黙っているんですか?あなたは、子供達に忘れられないような思い出と心の安らぎを提供するために努力していますよね?」
男:「はい」
園長:「動物園の使命を分かっている人だと、わたしは評価しています」
男:「はい。ありがとうございます」
園長:「だったら、あなたからも、みんなにヘナチョンペの大切さを説明してください」
男:「はい?」
園長:「あなただったら、ヘナチョンペを見つけられますよね?」
男:「はい???」
園長:「そして、ヘナチョンペを皆さんにも分け与えてくだい」
男:「は?え?何?」
園長:「宜しくお願いしますよ」
去っていく園長。
困惑顔でその姿を見送る男。
しばらく悩んだ後、男は、短い溜息をつく。
男:「ま、仕方ないか」

暗転。