『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

「良い先生」って、誰にとって?

何度か書いていますが、福島県の教員は平均年齢50歳らしいです。

全体の50%が50代、30%が40代、30代と20代が10%ずつというのが大まかなイメージ。私の年代(私は今年で39になります)が非常に少ない!私が40代になったら、20代がどんどん増えていくのでしょう。
となると、現在は都市部で起きていることが、今後も福島県で起きるのでしょうね。関東・関西の皆様、若い先生が増えてどんなことが変わりましたか?是非、教えてください。
私は今後、20代の若者を育てる、という仕事から逃れることはできそうにありません。

 

現時点でも、私の職場にも20代の後輩がいますし、月に一度開いている学習会にも若い先生が来てくれます。そういう若い方に「良い先生」になって欲しいと願い、やれることをやっています。が、ちょっと不安になることがあるのです。もちろん、若い方も良い先生になろうとしていますが、その様子を見聞きしていると“誰にとっての「良い先生」か”が問題だよなあって感じてしまうのです。

若い先生はエネルギーは豊富な方が多いですが、でも、無限ではありません。有限なエネルギーをどこにどの程度つぎ込むのか優先順位があるはずです。もし、それがなければ、あっという間にエネルギー切れを起こして倒れてしまいます。(現に、そういう方もいらっしゃいます。残念なことです)
教員の仕事で、優先順位一番は何か?「子供達」と口で言うのは簡単ですが、じゃあそれをどう具体化するのでしょう。私にとっては「学習指導」です。ですから、職員室で行う仕事で、最も優先的にやるのは、学習指導に関わることです。でも、こういう教員って実は少数派かもしれません。授業準備より、事務仕事に時間をかけている人が多いかも。いやいや、多様でいいんですよ。組織の中での役割分担もありますから。それでも。「でもなあ」って感じちゃいます。
「部活指導」や「生徒指導」といった授業以外で子供に関わることを頑張っている若い先生も多く見ます。私も若い頃にこういったことを一通り教えてもらって、それは現在でも役に立っています。悪いことではないと思う一方、それだと子供全員に力を注げないんですよね。

「行事指導」の場合は、子供全員に関われます。が、これは毎日じゃない、という大きな弱点があります。

「校務」に力を注がざるを得ない若者も見ます。「保護者対応」に四苦八苦している姿もみたことがあります。そこにエネルギーを費やしていたら、どんどん子供達との関係性が悪くなってしまいそうで心配です。悪いのは本人じやないんですけどね。

 

私は「特別に良い先生」ではありません。欠点だらけです。それでもやってこられたのは、「学習指導」に力を入れてこられたからだと思っています。比較的規模の大きい学校で若い時間を過ごしたので、授業のことを悩み、考え、力のある先輩に相談しながら教員生活を送れたのは、非常にありがたいことでした。
初任の頃なんて、それはそれは酷い授業をしていましたよ。それに、職員室では非常に受けの悪い初任者でした。でも、それは「職員室の人間関係」に割くエネルギーが極端に少なかったからなんだと、今となっては分かります。3年目からは、その辺りも多少は修正しましたが、でも、職員室ではほとんど気を使わなかったなあ(^◇^;)。思い出すと職員室では「かなり酷い若手」だったと思います。守ってくれた先輩方に感謝です。

今の福島県では、守ってくれる30代がほとんどいないので、20代の先生は非常に気を遣って仕事をしているように感じるのは気のせいでしょうか。
でも、どうなのかな。中には「子供達よりも、職員室内や管理職からの評価が大切」って人もいるのかなあ。そんなのやだなー。

 

私は若い頃から、こう嘯いていました。
「管理職や指導主事にどんなに褒められても嬉しくない。同僚に褒められなくてもいい。こういう人たちに褒められても、クラスの子供達に『この先生は駄目だな』と思われているのが一番辛い。逆に、子供達が『良い先生だ』『良い授業だ』と思ってくれているなら、他の人からどう思われても構わない。子供達が良いと言ってくれれば、管理職だって、保護者さんだって文句は言わないだろう」

今でも、この思いは基本的に変わりません。変化したのは、子供達の「今」だけを見ているのか「数十年後」も見ているのか、という違いですね。こんな生意気なことを言って過ごしてこられたのですから、私は本当に恵まれていたと思います。この恩は、ちゃんと送らなければいけません。

多くの若い先生方が「子供達にとって良い先生」を目指せる環境を作りたい、というのがこれからの目標の一つです。