『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

新クラスのスタートは

このお正月は、訳あって『学び合い』のスタートについて文章を書いたり資料を作ったりして過ごしました。で、せっかくなので、自分の忘備録&誰かの参考になるかも、ということで私が学級をスタートさせる時について書いてみます。

と言っても、実は、特別なことは何もありません。セオリー通りのことをやります。が、私なりのコツもあるかな???

1 どうして『学び合い』をやるのかを語る

最初はこの語りが欠かせません。大雑把に言うと

  1. 人の分かり方は多様である。
  2. 自分たちで勉強した方が絶対によく分かるし、楽しい。
  3. 何といっても、クラスの居心地が良くなる。

って話をします。「だから、とりあえず『学び合い』やってごらんよ」と合意形成を図ります。まあ、そうは言っても強制ですけどね。

 

2 課題は、「3人以上に説明する」

私の場合、初期の課題は徹底して「○○について、3人以上に説明する。納得してもらえたらサインを受け取る。納得してもらえない時は、説明を改良し、納得してもらえるようにしてからサインを受け取る。クラス全員が時間内に3人以上にサインをもらえるようにする。」です。

3人というのは、私にとっては大きなポイントです。今まで担任した学級には「2人組の仲良しペア」と「3人組の仲良しグループ」が圧倒的に多くありました。「3人以上に説明」だと、その仲良しの壁を超えなくてはいけません。だから3人です。もしも、学級に「仲良し4人グループ」がドンと構えているなら、「4人以上」とするかもしれません。

 

3 「一人も見捨てない」は軽く、何度も、見逃さず

西川先生曰く、『学び合い』の本体は「一人も見捨てたくない」という教員の願いです。

私もそう思います。
でもね。とは言え「一人も見捨てない」という言葉をいきなり振り回したら子供達は戸惑う、というのが私の実感です。以前は「何で見捨てるんだああぁぁ!!!!」なんて重く振り回して大失敗したことも。今ではその反省をもとに、時間をかけて「一人も見捨てない集団は得なのだ」という感覚を涵養していく方針をとっています。具体的には、「一人を見捨てる集団は、二人目、三人目を見捨てるよ。次は自分かもよ」という『学び合い』定番の語り以外にも、「みんなは一緒に生活し、学習しているのだから、その仲間が調子を崩すと自分もいつの間にか苦しくなるんだよ」「苦しんでいる人を見て見ぬふりをしていたり、苦しんでいる人に気づかなかったりしたら、自分もものすごく苦しむことになるよ」「集団の中で、自分だけが幸せになるって可能性は低いよ」「自分だけ良ければいいって奴が一番嫌われるよね」「仲間のことを考える人が尊敬されるんだよ」という話を何度もします。

その上で、「この時だ!」という機会が来たら言うのです。「ね、一人の苦しさが、全体につながっているでしょう!?見捨てたら損でしょう?」または、「ね、つながってる方が得でしょう?仲間は多い方がいいでしょう?」と。
その機会を見逃さずに指摘することを通して、「ああ、この先生が言っていることは本当だな」と納得してもらうのです。

 

ということで、4月になったら読み返せるように、ちょっとメモっておきました。そういえば、数年前には「最初の1週間で語ること」を全部計画してましたね。その計画表も、今度探しておこうかな。