『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

本当に多様性を求めているかな?

学級では、いろいろなことが起こります。そういう時にこそ、教員の本音が出るのでしょうね。

例えば、テストを返した時。ちょっとイマイチな点数だった友達のテストを見て
「えー!50点なの!?」
なんて言ってしまった子がいる。言われた方は嫌な気持ち。そんなトラブルが起きた時。

以前の私なら「友達の気持ちを考えなさい。そんなことを言ってはいけないよ」と指導していたと思います。

最近は、そういう指導をしなくなりました。放っておくわけではありません。そういう「以前なら好ましくないと感じていたような言動も、よくよく考えたら、学級において必要なものなのだ」と分かったのです。

友達の点数を気にかける子は必要なのです。「えー!50点なの!?」と言う言葉を聞いて、「50点の子がいるのか。まだまだ俺たちの力が足りないな」と感じる子がいなかったら大問題です。今の私のクラスには何人もいます。「ちくしょう!次はもっとしっかり教えるからな!」とか「何が足りなんだろう。結構頑張って教えたんだけど」とか「ああ、やっぱりな。ちょっと油断してからな。ごめんよ」とか、仲間の点数を我が事と考える子が。そういう仲間を育てることの方が、「えー!50点なの!?」と言わないように指導するよりも大切ではないでしょうか。ですから、今の私ならこう言います。

「50点の人がいる。この勉強が苦手な人がいるのは当然だし、何も悪いことじゃないよ。色んな人がいるのさ。でも、大切なのはその後だよ。自分にできることは何?」

20代の頃は、問題が起きないクラスが良いクラスだと思っていました。そういうクラスを目指して指導した結果、覇気のないクラスを作ってしまったことがあります。失敗しないためには、何もしないのが一番ですから。

「あの子があなたの悪口を言っていたよ」と告げ口してけんかを誘発した。
一緒に遊んでいて、ルールをどうするか決まらずにけんかになった。
以前はそういう時に「トラブルを起こすなよ!」と頭にきてしまっていたのですが、今は、トラブルは不可欠だと思えるようになりました。それを乗り越えることで集団が育ち、個人が育つ様子を何度も目の当たりにしているからです。多様な集団はトラブルがしょっちゅう起きます。異質な者同士の方がよくぶつかりますからね。でもね、トラブルを解決できるのも、多様な集団なんだと思います、間違いなく。

 本当に多様性を求めているかどうか。「みんな違ってみんな良い」とか言っておきながら、教員は「良い子」を求めがち。それは、教員の一挙手一投足によく出るでしょう。隠しているつもりでも、アンテナが高い子に見破られているでしょうね、きっと。