『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

「もういいんじゃないの?」の壁を超える

今日はH小学校さんの学校公開を参観いたしました。
H小学校の皆様、ありがとうございました。
やはり、集団が大きくなるとパワーが違います。いいなあ、大集団。自分のクラスの「少人数でしっとり」とは違った魅力を見せつけられました。

 

私は感じたことをはっきりと表現するタイプなので、書いておきます。失礼があったらすみません。

全校で取り組むということは、とてつもなく大変なことだと思います。職員の入れ替えもある中、4年間も継続して全校で『学び合い』に取り組んでいらっしゃるのはすごいことですよね。
校内には様々な考え方がありますから、きっといわゆる「温度差」は絶対に避けられないでしょう。H小さんは震災後の大変な時期が『学び合い』スタートのきっかけだと伺いました。ということは、『学び合い』の効果があってもというか、あればこそというかは分かりませんが、学校が大変な時期を抜け出せれば、「じゃあ、もう『学び合い』はいいんじゃないの?」と感じる方もいるでしょう。
それは当然のことです。「今までと違うことをやるのは不安だ」「人と違うことをやるのは嫌だ」と感じるのは、健全な感覚だと思います。「いや、『学び合い』でここまで学校が良くなったのだから、継続しよう」という方も当然いらっしゃるでしょうから、折り合いをつけるのは、なかなか難しい面もあるのかもしれないなあと、勝手に妄想しておりました。勝手な妄想です。違っていたらすみません。

 

実は、『学び合い』学級でも同じことが起きていると思います。
担任が「これからは『学び合い』で行くぞ!」と言った時、子供達は訝しく感じつつも、でも、多少は納得できる面もあるでしょう。例えば、「確かに、このクラスは男女の仲が悪いな」とか「算数ではいっつも先生の説明が分かりにくいから、友達に相談できたらうれしいな」とか思うでしょう。そして、実際に『学び合い』を行う中で、「男女の仲がよくなってきたな」とか「友達に相談したら、算数が好きになってきたな」とか感じるでしょう。
その時、少なくない児童が「もう、このくらいで満足だな」と感じている可能性があるのではないでしょうか。一部の子は「そろそろ、普通の授業に戻してもいいんじゃないの?」と感じているのではないでしょうか。
多くの実践者が「『学び合い』は始めるのは簡単だけれど、継続するのは難しい」と感じるのは、これも一因なんじゃないかなあ。同僚や後輩から『学び合い』に関する質問を受ける度に、こんなことを感じています。私はこの問題を「3か月の壁」と呼んでいます。「多数派のもの、普通のものが良い」と感じるのは、人間として自然なことなんだと思います。子供達の中から「もう、『学び合い』はいいんじゃない?」の声が大きくなるのも自然なことなんじゃないかなー。

学級内のレベルで言えば、私はこの壁を超えるのは難しくありません。自分のやっていることをどう言語化するかは、まだまだですけれど。
H小学校さんは、その壁を学校レベルで乗り越えて、ここまで継続してこられました。もちろん、すっきり楽々飛び越えてはいないでしょう。人事異動もあるのですから、まだ乗り越え途中の面も多々あるかもしれません。でも、少なくとも壁から逃げてはいない。それって、やっぱりすごいですよ。

 

私もがんばらなくちゃいかん!と気合いが入りました。
本当にありがとうございました。