『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

それが、仲間なんです。

ネット上でとある「アクティブ・ラーニング」の実践を目にしました。非常によく考えられ、準備され、整えられた授業だと感じました。きっと、素晴らしい授業だったことでしょう。

私も、実は新しく担任を持った当初は、準備を念入りにした授業をします。人は成功体験から学びますので、4月当初は子供達を「成功」に導くために力を注ぎます。

でも、そういう授業は長くはやりません。教員が緻密な準備をした授業は、子供達の成長を阻害するからです。

多くの教員は45分の中で子供達が「できた」という姿を目指します。なるほど、そういう姿を見られるのは、教員にとっての幸せですよね。でもね、その「できた」の裏でもっとも汗をかいた人は誰なのでしょう。そこが問題だと思うのです。それが「その子」なら、その子が成長するでしょう。でも、汗をかいたのが教員だったとしたら、もっとも成長できるのは教員になってしまいます。子供の成長がゼロだとは申しませんが、子供の成長のチャンスを減らしたのは確実です。
しかも、私が恐れるのが、私が知らず知らずのうちに「子供達の成長のチャンスを減らすことに慣れ、自分の喜びのために授業をしてしまうこと」です。人は成功体験から学びます。子供達の「できた」のために汗をかいて喜びを得、次はもっと汗をかき、さらに大きな喜びを得て・・・。そうやって子供達の成長を奪う教員になってしまう恐れを、私は持っています。

 

そうならないように、私は「単元」「年間」「教科間」といったつながりを大切にしています。そういう長いスパンで授業を考えると、教員の掌で転がすような真似はまず無理でしょう。

その上、45分で「できた」よりも、45分ではできず、次の時間までかかってやっと「できた!!!」という姿は、もっともっと輝きます。もっと時間がかかったら、もっと輝くのです。逆に、すぐにできたことは、すぐに薄れます。
時間がかかることの方が、子供達がより大きく成長できると思っています。

長いスパンの授業を可能にするには、単純に「単元丸ごとの課題を出せばオッケー」なわけではありません。なんといっても重要なのは、「長い期間、児童の心に火を灯し続けること」です。瞬間的に火を着けるのではなく、その火が燃え続けるようにすること。
じゃあ、どうするのか。

私が出した答えは、「教員には無理」というもの。

ある子の心がどうすれば燃え続けるのか。それは、私には分かりません。ものすごく考えつづければ、もしかしたら浮かぶかもしれないけれど、それをクラスの人数分考えるのは、無理です。

私には無理だから、子供達自身が、お互いに燃やし続ける関係を結んで欲しいと願っています。

それが「仲間」なんですよね。