先輩「やあ、後輩君。」
後輩「あ、先輩さん。いつもお世話になってます。」
先輩「今日は一つ、忠告があるんだよ。」
後輩「はい。何でしょうか。」
先輩「後輩君の授業は、ちょっと変わってるよね。」
後輩「いえいえ、色々勉強している途中なだけです。」
先輩「でね、あの先日の校内研でやったフリートークで進む授業だけど。」
後輩「はい。」
先輩「あれはちょっとまずいね。」
後輩「そうですか…。もうちょっと具体的にご指導いただけますか?」
先輩「何と言っても、聞く力が育たないね。これが問題だ。」
後輩「はい。」
先輩「あとは、力がある子は発言できても、下位の子は教えられるばっかりで、自己肯定感が下がる。」
後輩「はい。」
先輩「聞き方も話し方も分からないままの子がでるね。身に付けさせるべき基礎基本が身に付いてないと、困るのは子ども達だよ。」
後輩「なるほど。先輩は普段、どんな指導をしているんですか?」
先輩「えーとね、まず、朝の会では『1分間スピーチ』をやってるよ。これで、人前で話す訓練と、友達の話を傾聴する訓練を全員に確保できる。」
後輩「そうなんですね。」
先輩「それに、授業では『〇〇だと思います。理由は〜だからです。』という話型を繰り返し教えているよ。これは一度や二度では身に付かないから。1年間、徹底してやるね。」
後輩「すごいですね。」
先輩「帰りの会には、友達の良いところ発表もしてる。自分のことが言われるかもと思ったら、ちゃんと聞くようになるからね。」
後輩「なるほど。」
先輩「それにね、担任が気付かないような良いところをたくさん見つけるから、感心することも多いよ。」
後輩「そうなんですね。」
先輩「しかも、だんだんと『全員が発表されるようにしよう』と考えるようになってくるんだよね。」
後輩「それ、素敵っすね!」
先輩「子ども達ってすごいよな。」
後輩「はい。」
先輩「話が長くなったけど、まあ、がんばれってことだよ。」
後輩「ありがとうございます。」