『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

渡辺さんへの私信的記事

先週、東京学芸大学教職大学院の「一見爽やか系だけど超過激切れ者」渡辺先生からメールをいただきました。とある大学でのとある授業で学生さん達が私の授業映像を見て、その感想を送ってくださったのです。
大変ありがたいことです。

そのメールは載せられませんが、せっかくですので、私の「感想の感想」をアップしておきます。

なお、それぞれの文章は、順序や関連はありません。ただ、羅列しただけです。

 

  1. 都市部と地方でどちらが「やりやすいか」は、なかなか難しい問題です。私の経験(人口30万人程度の地方中核都市から人口8千人以下の町まで)で考えると、ケースバイケースとしか言えませんね。地方の学校の方が、縛りが強い面もあります。その地区の方々は「俺たちの学校」という意識を持ってくださっていますから。そして、いわゆる「田舎」の方が保守的なものです。ただ、「都市部だから」「地方だから」という言葉を使う教員は、結局は何をやっても上手くいかないでしょう。だって、その学校の立地条件は変えようがないのです。そういう変えようのないものを持ち出すのはただの言い訳です。
  2.  私自身は「オランダの教育」について、ほとんど知識がありません。でも、「オランダの学校に似ている」と言われることが度々あります。どんな点が似ているのか、私自身が知りたいなあと思っています。ちなみに、以前、私の学級に入っていた学習支援員さんがフィンランドの学校の映像を見て「高橋先生の学級と同じでした」と言っていました。その映像を私も見たのですが、正直、私にはあまり共通点を感じませんでした。私自身は、海外のオルタナティブ教育と比べて、私の教室は雑多で混沌としていると自己評価しています。私は「ごちゃごちゃ」が好きなのです。
  3.  もし私のクラスに塾の受験勉強で疲れている子がいたら、大いに「息抜き」させるでしょう。場合によっては学校で塾の宿題をやってもいいでしょう。その分、睡眠時間が増えるでしょうから。その代わり、「時々、友達に質問されたら教えてやれよ。将来のためにも、身近な人とちゃんと繋がれる人間になれよ」と話します。もちろん、無理強いはしませんが。
  4.  『学び合い』は学力差があることを前提とした授業です。逆に、いわゆる一斉授業は学力差が大き過ぎると授業自体が成立しません。
  5.  学級運営に関して言えば、私の学級は、机の配置、掲示物の掲示、学級備品の置き場所など他の教室では教員が決めることも児童が決めています。
  6.  小学生と比べて、中学生・高校生は質問に抵抗を示すものでしょうかね。私が市の事業で一緒になった中学生は、どんどん質問をしていました。質問のできる高校生もいれば、全くできない小学校1年生もいます。学年や校種で「子供とはこういうものだ」とはあまり言えないように思います。
  7.  私の勤務校では他に『学び合い』を行なっている同僚が1名、部分的にですが取り入れている同僚がもう1名います。他の同僚も、時々ですが「子供達に自由に相談させる」という時間を取っています。私の影響はゼロではないと思います。日本の学校には「校内研修」といってお互いに授業を見せ合う伝統があるので、そういった場からお互いの授業を真似合うこともあります。
  8.  3年前までは私は「異端者」扱いでした。でも、昨年くらいから「もっと『学び合い』を広めるように」と市教委からも言われています。世の中がちょっとずつ変わっていくのでしょうね。

 

以上。渡辺さん、ありがとうございました。