子供達の姿を見て、「この子は頼りになるなあ」と感じることがありませんか?私はあります。でも、そこで一歩立ち止まって、「誰にとって?」と考えることを大切にしています。
というのは、どうしても“教員にとって”頼りになる子に目が向きがちなんですよね。でも、重要なのは、“集団にとって”頼りになる子でしょう。
私の経験からですが、この視点の違いは非常に大きいと感じます。例えば、要領がよくて何でもテキパキと率先してこなせる子は、教員にとっては頼りになるでしょう。けれど、集団にとっては、友達のことを助けていてちょっと自分のことが滞ってしまうくらいの子の方が頼りになるのではないでしょうか。
それなのに、友達のために汗をかいている子に対して「人のことはいいから、自分のことをやりなさい」なんて言ってしまったら、集団にとって頼りになる子は育ちません。
他にもありがちなのは、授業中に“教員にとって”授業が進めやすくなる発言ばかりを取り上げてしまうこと。その結果、子供達が「先生は、何と答えて欲しいのだろう」とばかり考えている授業って、ありますよね。私は、そういう授業から抜け出したいと随分長く苦しんでいた時期があります。そうしていたのは、私自身なのだと、今では分かります。
集団にとって頼りになる子を育てたいし、集団に頼りにされたい!と願う子を育てたいし、「お前って頼りになるな。ありがとう」と友達に言える子を育てたい。そう思います。