『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

『学び合い』は難しい

『学び合い』は難しい、とおっしゃる方もいますが、『学び合い』は教員の手抜き、とおっしゃる方を見たこともあります。『学び合い』は難しいのでしょうか、それとも、簡単なのでしょうか。

 

『学び合い』の提唱者である西川先生は「一斉指導が、どれほど大変かを知っていますか?」と書いていらっしゃいます。

まずは - 西川純のメモ - 『学び合い』

私も同じようなことを感じています。一斉指導は極めて難しい。私には「実現不可能」でした。20代の頃はバリバリの一斉指導を志向していたのですが、ある意味で私は挫折したのです。私の腕では「この子」を救えない、という絶望が、私の『学び合い』のスタートですから。

もし、私がどこかの高校で飛び込みの一斉指導をやりなさい、と言われたら絶対に無理です。一方、『学び合い』なら何とかなります。もし、急に高校で『学び合い』の授業をやることになったら、「今、高校でやっている教材について、小学生に理解できるような解説書を作ってください」なんて課題を出せば、とりあえず形にはなるでしょう。とりあえず、ね。

でも、こういう課題は一回だけの特別な授業としては成り立っても、継続はしていきません。私は小学校教員として、「どういう解説書なら、小学生に理解可能か」を助言することはできますが、それは高校生にとって年間を通じて学びたいことではないでしょう。また、私の学級の状態を示し、「小学生でもここまでできる。高校生ならもっとできるでしょ?」と焚きつけることもできそうですが、でも、現実問題として、今の社会では主体性やチームワークだけではなかなか飯が食えないのも事実でしょう。

となると、高校生相手に継続的な『学び合い』を行うには、大学入試や就職といった面で、私は知識不足です。

 

というように、私は『学び合い』を始めるのは一斉指導よりも簡単に見えるけれど、継続するのは非常に難しいと思っています。もちろん、一斉指導も継続して良い授業を行うのは難しい。というか、教育という営みが、めちゃくちゃ難しいものなのですよ。『学び合い』とか一斉指導とか関係なく。

ただ、『学び合い』は本の通りに始めれば、ある程度やれてしまうのも事実。入り口は親切。でも、ある時、急に難しさに直面します。多分、この時期に悩んでいる方も多いでしょう。もちろん、私だってそうです。でも、私は今までの経験から、この時期に焦らず、11月ごろに学級がジワジワ変わることを狙らっています。

そのために必要なのは、待つこと。ただし、それは放任ではないのです。この辺りをどう表現するか、悩みに悩んでいます。