私が以前担任したクラスに、めちゃくちゃ算数ができる子がいました。算数は本当に得意。テストはほぼ100点です、単元テストも、学力テストも。多分、算数は私よりできます。
その子は、当初は人と関わるのが苦手でした。本人がどう思っていたかは分かりません。でも、周囲からは「ちょっと嫌な奴」と思われていたようですし、そういう言葉を周囲から度々聞きました。
私はその様子を見て、最初のうちは
「この子が『学び合い』を通して、コミュニケーション能力が身につくといいな。その為にも、どんどん算数の時間には説明をさせたいな」
と考えていました。でも、結論から言うと、そうはなりませんでした。いえ、その子は数か月後には、周囲とガンガン関われるようになりました、別人のように。でも、それは私が当初考えていたような「コミュニケーション能力を身につけた」というものじゃありません。だって、その子は変わっていないのです。「賢過ぎて、周囲から見ればちょっと嫌な奴」のまま(笑)。そして、周囲の子の性格が変わったようにも見えませんでした。
でも、確実に何かは変わっていました。
じゃあ、何が変わったのかと言えば、他の子との「関係性」が変わったのだと思うのです。それによって、その子の行動が変わり、生き方が変わったように、私には見えました。
子供達を変えるには、関係性を変えること。
というのが、私が経験から感じていることです。