初任の時の話です。その時に担任していた学級の学力テストの結果がイマイチで、当時の校長にめちゃくちゃ怒られました。馬鹿初任者だった私は、怒られ慣れてましたけれど。
2年目は、周囲の先輩がどんなことをしているのかを調べ、実践しました。まあ、簡単な話ですが、「テスト対策」の時間を設けたのです。宿題も、学力テスト用のモノを準備しました。2年目には点数が上がりました。逆に言うと、初任の時には何もしてなかったんです。
その後、教員経験が5年を過ぎて、1、2年目よりは授業が上手くなったかな?と感じるようになりました。初任に比べれば、授業は滞りなく流れるようになったし、授業の持ちネタも増えていましたから。
でも、テストの点数はそんなに変わりません。普段のワークテストも学力テストも。
なぜだろう。
少し悩み、少し考えて、そして、少し調べて分かりました。学力テストで点数を取らせる先生は、ちゃんと学力テストを意識して授業しているのです。テスト前には対策もバッチリ。それが分かったので、教員10年目くらいには、学力テストで点を取れる授業というのが、まあまあ分かってきました。
でも、若い頃の私には、それはあまり魅力的な授業には感じませんでした。「テストなんて別にいいさ、ケッ!」という気持ちが強かったのです。きっと初任の時に校長に怒られた怨みが残っていたのかもしれません。
その後、『学び合い』に出会い実践していく中で「新しいことをやるなら、ちゃんと学力テストで点数を出さなきゃいけないんだな」と考えるようになりました。ある年、「このクラスなら」と考えて、思いっきり「点数を取らせてみよう!」とチャレンジしました。以前から考えていたことに加えて、この本を読んで学んだことをふんだんに盛り込みました。
簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック> (THE教師力ハンドブック)
- 作者: 西川純
- 出版社/メーカー: 明治図書出版
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: 単行本
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その結果、学力テストで抜群の結果が出ました。この本、なかなかすごいですよ。
でも、私の性格は変わらず、「テストなんて別に」と思っています。何故なのでしょう。それは多分、点数が取れる授業は、「私が」取らせる授業になりがちだからでしょう。「学力向上テクニック」、つまり、教員のテクニック次第なんですよね。それがつまらない。私は民主的な学級を作り、主体的な子供達を育てたいのに。
けれど、4月当初はこの本に書かれていることや私が身につけてきた「テクニック」をもりもり使って、点数を取らせる授業を行います。『学び合い』でテクニックを使いやすいのは最初だけだから、というのもありますし、何より、『学び合い』の優れた点を実感してもらやすいからです。だから、ここ数年、私のクラスは4月のワークテストの点数は抜群に高いのですが、その後は下がります(笑)
『学び合い』だとテストで点数が取れない、なんて話を聞いたことがあります。それはちょっと違うように思います。テストの点数が取れる『学び合い』もちゃんとあるし、むしろ、『学び合い』は点数を上げようと考えたら、めちゃくちゃ効率的です。だって、課題を個別化して、分からない問題だけやればいいんですもん。でも、私はそれで1年間続けるのは難しいです。単純に性格の問題かも。