最近、教科書の話を書いているのは、『学び合い』では教科書を大切にすべきだと思っているからです。
『学び合い』では、授業の課題を提示し、それをどう達成するかは児童に任せます。その時、ヒントや正解が教員の頭の中にしか存在しない課題を出してしまうと、児童は「これで良いのかどうか」「このまま続けて良いのかどうか」を教員に確認しなくてはいけません。でも、教科書を上手く使えれば、児童はそれを頼りに、課題を解決していけるのです。
遠足に例えてみましょう。もし、遠足の目的地が示されていなければ、児童は教員の引率に従って歩くしかありません。目的地が示されていても、そこまでの道のりが分からなければ、同様でしょう。そこで「自分たちで道を選びなさい」と求めても、児童からは「先生、この道で合っていますか?」と聞かれるのは当然です。
でも、児童に「地図」を渡していたら、話は別です。児童は地図を見て友達と相談しながら目的地へと向かうことができますよね。
授業において、「地図」となるのが「教科書」だと思うのです。
ただし、教員がちゃんと地図を見ていなくて、地図にない場所を目的地に指定したら、児童は道に迷います。ですから、教員は地図の見方=教科書の読み方をある程度知っておく方が良いというのが私の考えです。
本当は地図も児童が自分で選べるような自由な旅の方が楽しいんでしょうけれどね。