『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

授業参観

教務主任という立場を悪用して、今年は3回ほど授業を見てもらえる場を設定しました。金曜日はその第1回目。初任研の授業参観。初任の先生の学級に入らせてもらって、社会の授業をやりました。理科専科だけど社会。

私はこう見えて(どう見えて??)バランスを大切にするタイプ。初任の先生が研修の最初に見る授業ですから、ちゃんとスタンダードな型を意識したキレイな指導案を書きました。A4サイズの簡易案なので、ササっと20分で書いたのは内緒ですけど。もちろん、構想はもっと時間をかけて練ってましたよ。でも、スタンダードな型の授業って楽なんです、考えないから。パターンオーダーみたいにいくつかの決まり事を組み合わせて授業案が立てられるため、早いのです。

ちなみに、先週、地域の探検に出かけたので、その振り返りとしてカードにまとめる授業です。

 

事前研でもちゃんと一般的な説明をしておきました。現状では、その方が初任者の方のためだと判断したからです。私が『学び合い』を勧めたら初任の先生は断れないでしょう。でも、他の方には止められるでしょうから、板挟みになります。だから、まずは『学び合い』を薄めて見せようと思っていました。見てもらう機会は、あと2回ありますし。

 

にも関わらず…。

授業が始まり、キレイな導入を行い、「自力解決の時間」。その時、ある子がポツリと言ったのです。

「ぼく、できないよ」

それは、諦めともSOSとも取れる一言でした。それを聞いた瞬間、スイッチオン。

「ちょっとストップ。できないって悪いことじゃないよ。できないことがあるのが当たり前。全員ができることなら、わざわざ勉強しなくていいんだから。

できないことは悪くない。でも、あきらめちゃったらもったいない!一人でできないことも、友達とだったらできるはず。みんなで力を合わせて、みんなができるようにしよう!」

そして、何ができれば良いかを説明し、そのためには誰と話し合ってもよいことを伝え、もう一度、みんながカードを書けるように!と確認して、今日は言わないつもりだった言葉を言ってしまいました。

「では、どうぞ」

ということ、普通に『学び合い』による授業です。

簡易的な語りで始めたので、授業中に色々と補う必要がでました。

「先生は『こんなこと書いちゃだめだよ』なんて絶対に言わないよ。だから、先生に聞かずに書いていいよ」

「迷ったら友達に聞いてごらん」

「色んな人に聞いていいよ」

「教えるって得なんだよ。教えるとたくさん頭を使って、どんどん賢くなるよ」

「分からないって言ってる人がいるよ。助けてくれる人はいないかな?」

「全部できたのか!頑張ったんだね。よし、その頑張りを今度は学級のために使えるかい?」

こんな言葉を言っていました。後出しで付け加えるのは、本当は少ない方がいいのですが、仕方ないので。

 

ということで、授業の最後には「書けたものを見せて!」とカードを頭上に掲げてもらい、全ての子を賞賛して終了。「できないよ」と言っていた子もちゃんと書けてましたよ!

 

授業としてはこれで良かったのかな、と思います。でも、若い先生が、短期的にも長期的にも幸せな教員人生を歩めるようにするにはどうすればいいかを考えると、少しばかり暗い気持ちになってしまいました。