『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

焦らなくていいんですよ

夏休み初日はプール当番。30度“しか”なくて、ちょっと肌寒いように感じてしまったのは、猛暑で感覚が麻痺しているのでしょう。午後はたった27度。鳥肌が立ちました。

 

さて。

本校は夏休みには、保護者さんがプールサイドで見学してよいことになっています。一人の保護者さんが、お子さんを一生懸命に応援していました。

「ほら、鼻はつままないで!頑張ってもぐって!」

その子はどうやら、もぐるのが苦手なようです。そう言われても、指は鼻をつまんだまま。

「鼻をつまんでいたら、いつまでも泳げないよ」

保護者さんの語気も心なしか強くなっていくような。おっと!ここは教員の出番。と思い、その子と保護者さんに声をかけました。

「鼻をつまんだままでいいよ。ちょっとずつ練習してね」

「あそこで泳いでいる子は2年生ですが、鼻をつまんだままなのに上手に浮いて、バタ足までしてますよね。つままなくても大丈夫になってから浮ける子もいますし、つまんだまま泳いでだんだんと手が離せる子もいるんです。まずは楽しむのが一番かもしれません」

そのあとは、何秒もぐれるかを測ってみたり、足を使って石拾いをしたり、楽しく過ごしました。

 

そして、午後。その子と保護者さんはまたプールに来ました。午後はもう一人の担当教員が、石拾いだけじゃなく、輪くぐりもしてくれました。すると、その子はもぐれるようになり、石拾いは足を使わず、頭を沈めて手で拾えるようになっていました。鼻はつまんだままですけどね。でも、保護者さんも嬉しそうでした。

 

大人が焦ってアレコレ言うと、かえって子どもたちの成長を邪魔してしまうことがあります。待つことって、本当に大切です。過去には「1、2年生で全く潜れなかった子に、3年生の体育の水泳の時間にひたすら楽しく遊ばせていたら、水が嫌いじゃなくなって、夏休み明けには泳げるようになった」という経験もしています。こういうことって少なくないはずです。

保護者さんが焦ってしまうのは、愛情故かもしれません。でも、我々教員はプロとして、冷静に指導しなくてはいけません。しっかりと待てなければ子どもたちの成長はおとずれないでしょう。

とはいえ、若い頃は、自分も焦りがちだし、保護者さんに助言をするのも心理的なハードルが高く、難しいものがありました。

40歳を過ぎて、保護者さんに「焦らなくていいんですよ」と伝えてあげやすくなったと感じます。歳をとるのもいいもんです。あ、でも、若い先生方。焦らなくていいんですよ。若い時にも、その時にしかできない指導があるんですから。