『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

4月は閉じられた関係性を打破する

初期の『学び合い』においては、課題を「みんなができること」を目指します。
さて、なぜ初期の『学び合い』では「みんなができる」が大切になるのでしょうか。

 

それは、初期の『学び合い』においては、第一に「関わりを増やすこと」が重要になるからです。多くのクラスでは、教員が思っている以上に関係は希薄です。以前、私の勤務校にゴリさんが来てくださった時、研修で
「子どもって、仲良しのことは話しても、他のことはほとんど話をしていないんですよ」
という話をしてくださいました。具体的な事例を挙げての話で、同僚は皆
「そう言われればそうかも・・・」
と感じたそうです。私の印象でも、多くの子どもが「友達」とか「仲間」と感じているのは3〜5名程度です。その閉じられた関係性を打破するために、私も4〜5月は「全員達成」を課します。それによって、クラス全員に意識を向けさせるためです。

これを子どもたちには、こんな風に伝えます。
「人間は、普通に暮らしていると、3人とか5人とかの小さなグループを作ります。これは、石器時代や縄文時代から続くものらしいです。でも、5人程度の小さなグループだけでは生活が成り立ちません。物を作るにしても、商売をするにしても、もっと多くの人と関われなければ、不可能です。学校という特殊な場所では、小さなグループでも何とか誤魔化してやっていけるかもしれません。かなり嫌な思いもするだろうけれどね。でも、学校の外は石器時代ではありません。現代です。小さなグループでは誤魔化しきれないし、生きていけないかもしれないよ。より多くの人と関われるようになりましょう」
これは伝わりやすさを重視した言葉ですから、厳密に言えば「間違い」かもしれません。でも、それほど外してはいないと思っています。

4月は、閉じられた関係性を打破し、可能な限り多様に繋がれるようになることを重視します。この時期に多様に繋がっておくことが、この後、学びを加速させる上で重要になるからです。では、「可能な限り多様」とは、どれくらいでしょうか。それは「これ以上、教える相手がいなくなるまで」です。まだ分からない人がいるうちは、もっと教える相手がいる、ということ。「もう教える相手がいなくなりました」=「みんなができる」ようになるまで伝え合い、教え合うのが、4月の重要なミッションだと子どもたちに伝えています。

 

つづく!?