以前参観した授業で非常に「面白かった」ものがあります。
国語の授業でした。多分、昨今の「スタンダードな授業」の進め方としては「間違い」だらけでしょう。私の目から見てもツッコミどころ満載。明らかな「間違い」も含んでいました。「上手いか、下手か」で問われたら、失礼ですが「下手」です。でも、「子供たちが学んでいるか、いないか」で言えば「おおむね学んでいる」授業でした。
一方で、必要だと言われていることを上手にパッケージングし、授業として綺麗にまとまっていても、子供たちの学びや育ちにつながっていない授業なんて、山ほど見てきました。私もそういう授業を、していましたけどね。
その反省を生かして、私も子供達も「本気」の授業は
「じゃあ、始めましょう」
くらいしか言いません。子供たちが聞かないから、しゃべれないのです。しゃべらなくても大丈夫な準備を求められます。けっこう大変です。授業中に何もしていませんから、見ている人には「手抜き」に見られますけれど、でも、その方が大変なんです。
今年は担任じゃないので、子供たちは私に遠慮し、聞いているふりをしてくれます。私もそこに甘えて、べちゃくちゃと余計なことを喋りますし、様々なことをやります。ああ、よくないな、これ。今年は「手抜き」授業です。でも、一生懸命に授業やっているように見られます。
下手だけれど、子供たちが学ぶ授業があって、
上手だけれど、子供たちが学ばない授業があって、
本気だから、教員は何もしない(ように見える)授業があって、
手抜きだから、教員がいろいろやる授業がある。
授業って、本当に分からないものです
だから、面白いのですけれど。