なまじ経験を積んでしまったせいで、昔はしなかった失敗をしてしまうことがある。
例えば、若い教員や子供達に
「この問題は、こうすれば解決するのに、どうしてやらないの?」
なんて言ってしまうことがある。私は過去に似たケースを経験しているから、恐れがない。でも、その経験がなければ、躊躇して当然だ。が、その立場にすぐには立てない。
「こうするのが正解なんだから、そうやらないあなたが悪い」
という、まるで見下すかのような態度。「正解」が分かるようになったために、分からない人の気持ちが、分からなくなってしまうのだ。こうして後悔したことが、何度もある。
何度もあるのに、今日もやってしまった。
悩んでいる子に対して、
「ああ、こういう時には、こうするんだよ。そんなことしちゃ駄目だよ。何でやらないの?」
といった態度を取ってしまった。
子供達は有能だ。私のその冷たさを敏感に感じ取り、そして、指摘してくれた。ああ、本当に情けない。
今日も謝ったけれど、明日、もう一度、ちゃんと謝らなくてはいけない。
本当にごめんなさい。