『学び合い』 流動型『学び合い』 学びのカリキュラム・マネジメント アクティブ・ラーニング

nao_takaの『縦横無尽』

小学校教員なおたかのブログです。『学び合い』(二重かっこ学び合い)を実践しています。単著「流動型『学び合い』の授業作り」を上梓しました。お手に取っていただければ幸いです。

積極的保護者対応と消極的保護者対応

昔の話なので、記憶が曖昧なのだけれど、1981年の「生徒指導の手引き」で取り上げられて以来、「積極的生徒指導と消極的生徒指導」という言葉が広く使われるようになった。今は、以前ほどはこの言葉を聞かなくなった。私が教員採用試験を受けた20数年前は、絶対に覚えるべき用語だったんだけどな。

積極的生徒指導とは、問題行動を未然に防いだり、自分たちで解決したりするための力を育てるための「開発的・予防的指導」とも言われる。一方、消極的生徒指導とは、簡単に言えば、児童生徒の問題行動への対応であり、「何かが起きてから行う指導・対処療法的指導」と言えるだろう。

 

で、最近、保護者対応にも「積極的保護者対応と消極的保護者対応」があるよな、と感じることが多い。

積極的保護者対応とは、信頼関係を築き、児童生徒のより良い成長を学校と保護者が協働するために行うものだ。

一方、消極的保護者対応とは、簡単に言えばクレームへの対応やクレームを恐れての対応。生産性がない感じ。

保護者対応というと、後者のイメージが強く、前者があまり考えられていないのではなかろうか。また、前者が「余計なもの」としてどんどん削減されてい苦傾向も感じる。授業参観、懇談会や個別面談や家庭訪問、学級通信を「邪魔なもの」と考える人が増えているように思う。教員だけじゃなくて、保護者さんの中にもね。

私自身は、教員が子供たちの前に立つ姿を見てもらうこと、顔を合わせて話をすること、私が大切にしていることや普段の子供たちの様子を伝えることは、絶対に必要だという思いが、年々強くなっている。昔から「要らない」という保護者さんにも何度か出会ったし、このご時世なので、オンラインで行うなんていう方法もあるだろうけれど、でも、顔を合わせないと分からないことって多いよなあ。

この流れは、保護者さんが協働者ではなく顧客と化していることとリンクしている。この流れをどうにかして変えないと、不幸になる児童が増えていくんじゃなかろうか。だって、顧客化するということは、対価が必要だということだから。そんなものがなくても教育が受けられるように、公教育が存在するのだと思っている。その矛盾の谷に落ちる子供を生み出したくない。この話はなかなか整理が難しいので、また別の機会に。

 

コロナの影響で、授業参加や家庭訪問が行えない。この状況を言葉が悪いが「こりゃ、楽でいいや」と喜んでいると、近々、痛い目に合うだろうな。もちろん、教育には変えなくてはいけない面が多々あるし、根本から変えたいことも多いけれど、だからこそ、今まであったものの意味を理解し、その上でぶち壊していきたい。少なくとも私は、現状でもできる範囲で、積極的な保護者対応を行なっていくつもりだ。