若い頃は、本当に糞つまらない授業をしていた。その当時は分からなかったが、今なら分かる。
「こうするのが正しい」「これをしなければいけない」「このやり方が一般的」「こうすべき」と言われることを寄せ集めて、授業をしていたから。
私自身は、別に正しいとも思っていないし、楽しいとも感じないようなことをやっているのだから、やらされている子供たちは楽しいはずがない。
一方で、じゃあどんなことをやりたいんだよ!?と自問しても何も出てきやしなかった。勉強不足。
かと言って、私が正しいと思うことや楽しいと感じることを集めて授業をしても、実は大して面白い授業にはならないとも思っている。
私が好きなことをすれば、私にとっては面白いだろう。けれど、それを面白いと感じる子が、クラスにどれくらいいるだろうか。
例えば、音楽の授業で、「ボディ・パーカッションで、ボンゾのドラムを再現しよう!」なんて授業をしたら、私にとっては面白そうだ。これ、今、ふと思い付いたのだけれど、結構本気でやってみたい!と思った。けれど、やらない。だって、こんなのに興味がある子が思い浮かばないもん。私にとって面白い授業と、子供たちにとって面白い授業はまったく別なのだ。
じゃあ、どうやって「面白い授業」を作ればいいのだろう。
現時点で私が考えている「面白い授業」とは、「ぼくはそんなに興味はないけれど、みんなが楽しそうにやっているから、ま、面白いかな」という時間と、「この勉強は好きだな。面白いな」という時間が、一日の中でグルグルと巡るようなイメージだ。この「ぼくはそんなに興味はないけれど、みんなが楽しそうにやっているから、ま、面白いかな」という感覚を身に付けた子は強い。ある意味で、仲間の数だけ楽しみを得られる。関係性によって、授業を面白くしていくのである。
こうなっていくクラスの様子を見ていると、自分のクラスなのに嫉妬してしまう時がある。こういう関係性の中で日々を過ごしたら、きっと楽しいだろうな。